- 2016-7-26
- コラム
- Art innコラム
[text and photo by Art inn編集部] 2016/7/26 UP
Art innを運営している株式会社IHIエスキューブ(以下、IS3)は、株式会社IHI(以下、IHI)のグループ会社である。IHIは一般社団法人日本車椅子バスケットボール連盟のオフィシャルスポンサーになっており、7月20日(水)、豊洲IHIビルで、近隣からお集まりいただいた大勢の観客が見守る中、エキシビジョンマッチが行われた。
まずは選手の紹介とルール説明が行われた。選手には各々障害レベルの重い順に1.0-4.5の持ち点が決められており、コート上の5人の選手の持ち点の合計が14点を超えないようにする、公平性に配慮したルールがある。
試合が始まると、激しい接触音とスピード感のあるダイナミックな動き、そして選手たちの鮮やかな車椅子さばきに圧倒される。
車椅子同士が衝突し、倒れてしまうことも途中あったが、選手たちはすぐさま起き上がって体勢を立て直し、競技を再開するのだ。
格闘技を思わせる迫力と、スポーツ観戦の爽やかさの両方を間近で見られる、とても充実した時間だった。
試合の後は質問コーナー。概要はコチラ↓
Q1 トレーニングはどのくらい行っているんですか。
A1 週に3・4回です。ジムに行ってウエイトトレーニングをしています。
Q2 3ポイントシュートは何回くらい入りますか。
A2 10分の8の確率です。
Q3 ドリブルのコツを教えてください。
A3 ボールを見ずに、指先で打ちます。そうすると、指になじんできます。
選手たちは週のほとんどを練習に費やしていることになるが、彼らの所属する千葉ホークスは、日本車椅子バスケットボール選手権大会で準優勝している強豪チームであるため、納得の回答だった。
質問をしていたのは、ほとんどが子供たち。スポーツ少年・少女にとって、今回のやりとりは恐らく、得難い体験になったことだろう。
この競技の魅力は、車椅子の見た目のインパクトと、それを華麗に操る選手たちの技能に依拠するといえるだろう。
車椅子バスケットボールで使用する車椅子は、タイヤがハの字型をしている点と、前方にバンパーがついている点が、最も目につく特徴だ。タイヤの斜めの形状によって車椅子はターンしやすくなり、乗り手はぶつかった時に手を挟まない。またバンパーは、激突した時に足を保護する役割を果たしている。
競技用車椅子はブレーキがなく、制御の大部分を自分の腕を頼りにするしかない一方、すばやいターンを可能とし、乗り手の力を最大限に生かすことができる乗り物だ。
選手とゲーム体験ができる時間には、子供たちが参戦。小さな乗り手たちは,堅牢な車椅子に埋まるように腰掛けながら、選手たちに負けない勇姿と、はじけるような笑顔を見せてくれた。
←エキシビジョンマッチを盛り上げた、「Dream IHI」の皆さんによる花束贈呈
スポーツで得られる成果はたゆまぬ努力の結果であるし、人に夢や感動を与える文化活動だ。車椅子バスケットボールへの支援は、東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるだろう。
←本エキシビジョンマッチのポスター・チラシのデザインは、Art inn編集部の所属するIHIエスキューブのデザインチームによるもの
今回のエキシビジョンマッチには、IS3の従業員で、千葉ホークスに所属する久世征士選手が出場している。選手や観客、支援者など、関わる人と人とのつながりを広げて強める、この有意義な支援に今後も注目していきたい。