- 2016-9-14
- 展覧会レポート
- 森アーツセンターギャラリー
[text and photo by Art inn編集部] 2016/08
幼少の頃より漫画が好きで、お小遣いを貰っては漫画を買っていた、大学生・社会人になって も漫画を買い続け、親族からは「大人にもなって漫画ばかりみて」と苦言を言われてきたが、漫 画が、ルーブル美術館で第9の芸術「NO.9」として認められた事は漫画ファンとして大変うれし く思い、そんな気持ちを胸に特別展に足を運んだ。
会 場: 森アーツセンターギャラリー
会 期: 2016年7月22日(金)~9月25日(日)
時 間: 10:00~20:00
※入場は閉館の30分前まで。
ルーブルNO9 感想
この特別展では、ルーブル美術館をテーマに、海外・日本のアーティスト16名が漫画(バンド・デシネ)を書いたものが展示されている。それを、ルーブルの表の顔、裏の顔、そして時空を超えていう三つのテーマに分類されて展示されている。
第1章 偉大なるルーブル美術館 The Great LOUVERE(ルーブルの表の顔)
参加アーティスト全員の作品で彩られた、ホワイエとシアターを抜けると、ルーブルの象徴の一つ 「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカを中心とした空間に、ルーブルの表の顔と呼ばれる作品が展 示されている。ここで私は、バンド・デシネと呼ばれる作品群に初めて触れた、フルカラーで描かれ た作品は、普段手にとって眺めている白黒のものとは違い、色の使い方や構図などでそれを表現して いる事にで作品に没頭してしまい、時間を忘れて見入ってしまった。
第2章 ようこそ、異次元の世界へ(ルーブルの裏の顔)
先ほどの空間とはガラッと変わり、荒木飛呂彦先生が書いた岸部露伴がようこそと言わんばかりに 正面に書かれている、作品の表現される角度も1章とはちがい、鋭角になっていき、みるみるとルー ブルの闇に引き込まれていく、そんな中で作品の制作工程を映像で流しているのだが、荒木先生がそ の中で、「エンターティメントを大事にしたい」というような事を言っていた事が、浮世絵から続く 日本の庶民派文化の魂を感じられた。
第3章 時空を超えて
表と裏、昼と夜という表裏のテーマでいままで語られていたルーブルだが、この最後の第3章では 時空を超えてというアプローチで、ルーブル自体の存在や普遍性が語られている。同じテーマ、バン ド・デシネという同じ技法なのに、切り口は人の数ほどあり、たった数枚の絵で人の感情を揺さぶる 事ができるのだなと、改めて感じた。
普段、漫画を手にしない人でも、私のように毎日買ってるような人もなにか発見し、持ち帰れる展 覧会だと思いました。