国立新美術館「第18回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」

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[text and photo by 空丹 久美] 2015/2/6 UP

  『第18回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』、国立新美術館で行われている本展示に足を運んだ。会場にはアート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4部門の受賞作品が展示されている。多岐にわたる芸術の種類の中でも選ばれた作品を見ることができる貴重な機会だ。

 

 

公式HP: http://j-mediaarts.jp/
会  場国立新美術館
会  期: 2015年2月4日(水) ~ 2015年2月15日(日)
時  間: 10:00~18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館30分前まで

 

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© 2014 Kazuhiro GOSHIMA All Rights Reserved.

 アート部門ではアーティストの考えのもと、多種多様な作品が紹介されている。五島一浩さんの『これは映画ではないらしい』では、映像に一コマという概念をなくし、光ファイバーに色を付け、連続で映し出すような新しい発想の映像技法だ。連続で映し出すことで、現在は小さいドット絵が動いているが、今後この手法を取り入れもっと大きな映像を見てみたいと思った。

 

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© Alex Verhaest 2014

 Alex VERHAESTさんの『Temps mort / Idle times – dinner scene』のコーナーでは、TV画面にまるで絵画かと見紛うような映像が映されている。これはこちらの世界からの影響をリアルタイムで絵画に反映させるインタラクティブな映像となっている。画面の前には電話番号が記された看板が立っていて、その番号に電話をかけると何かが起こるらしいが・・・。

 

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© 2014 Noramoji Project

 エンターテインメント部門では近未来の可能性を感じさせる作品や体験してな作品が展示されている。下浜臨太郎さん、西村斉輝さん、若岡伸也さんらの『のらもじ発見プロジェクト』という作品では、昔ながらの商店の看板の文字をフォント化している。画面前のキーボードを打って文字を入力すると、画面のなかの商店の看板の文字が打った通り表示される。自分の好きな文字を入力し遊んでみるのも面白い。まるで自分でレトロなお店を開いている、そんな気分になることだろう。

 

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© 2014 exiii Inc.

 近藤玄太さん、山浦博志さん、小西哲哉さんらの『handiii』。高度な筋電義手で、3Dプリンターで部品を製造しており、制御部分はスマートフォンのため、コストが格段に抑えられている。使う人の気分によってパーツを変えたりと見た目も楽しませてくれるような義手になっている。安価で優れた筋電義手ということで、今後の発展が期待される。

 そのほかにも日常ではなかなか体験できないことを体験できる作品が多かった。ひとつひとつの作品に対し、これはどういうものなのかドキドキしながら試すことができる。

 

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© 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014

 アニメーション部門からは受賞が決まった作品が映像とともに紹介されている。2014年4月に公開した、『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』のコーナーでは、その原画や映像が一部公開される。ロボとーちゃんの頭部も再現されていて、見ていて楽しめるコーナーだ。

 

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© Santiago Grasso

  Santiago ‘Bou’ GRASSOさんの『PADRE』。3DCGを用いて作られた作品である本作品は小道具を用いて美しい映像に仕上がっており、薄暗い映像に美しい漢字を表現していた。小道具の人形も飾ってあり、CGを創るうえでどういう過程を経たのか、その一部を知ることができる。  どのアニメーション作品においても作品ごとに壁で区切られていて、その作品に集中しやすいよう配慮された構造となっていた。

 

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© Kazuhiko Shimamoto/SHOGAKUKAN

 マンガ部門では、作品ごとにワンコーナー設けられ、原画やラフ案などが展示されている。島本和彦さんの『アオイホノオ』では、苦悩しながらマンガ家を目指す過程を熱血コミカルに描いている作品である。実在の著名人も作中に登場していおり、ノンフィクションかと思われるが、どうやらフィクションらしい。

 

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© T.ABE2014

  阿部共実さんの『ちーちゃんはちょっと足りない』。女子中学生の中に隠れた不安定感を見事に描いている作品である。明るくかわいいイラストである一方、主人公たちの感情を鋭くとらえている。思わず恐怖感を抱くようなコマが展示されていて、衝撃を受けると同時に漫画のテーマや本質が見えてきた。

 各コーナーにはコマが拡大され展示されていたり、印象的なセリフがあり、ぱっと見ただけでもその漫画の雰囲気が伝わってくるようである。展示されている漫画を全巻読みたくなる、そんなコーナーだった。

 

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  本展示のいたるところに探検カードというものが配置されていた。発見したら手に取って書き込んでみるのはいかがだろうか。すべてのカードを集めると自分だけのストーリーを作ることができるといった、また別の楽しみ方もできるようになっている。

 

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© Cod.Act

 指定の時間にパフォーマンスを行なっている作品がある。Cod.Actの『Nyloïd』は、大きな針金が3つ組み合わさったようなオブジェであるが、これが生き物のように動くのである。ひとたび動かすと動ける範囲で自由に動き、予想だにしない動きを見せてくれる。女性の声がサンプリングしてあり、大きくねじれ、地面にぶつかってしまったときは悲鳴のような声をあげている様子が、どことなく愛らしさを感じさせられる。

 今回紹介した作品はほんの一部で、見て楽しめる作品が多数展示されている。体験できるコーナーもあり、作品ひとつひとつに没頭することだろう。本展示はまさに日本が誇る芸術、世界が誇る芸術の最先端を知ることができ、今まで知らなかった世界を見ることもできる展示会だ。きっと見学者たちを新しい世界へ導いてくれることだろう。

 


 今回紹介した作品はほんの一部で、見て楽しめる作品が多数展示されている。体験できるコーナーもあり、作品ひとつひとつに没頭することだろう。本展示はまさに日本が誇る芸術、世界が誇る芸術の最先端を知ることができ、今まで知らなかった世界を見ることもできる展示会だ。きっと見学者たちを新しい世界へ導いてくれることだろう。

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