Mitte「ソ連の年賀状展」

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[text and photo by 中野 昭子] 2014/12/24 UP

 本郷は学生街であると共に、多くの文豪が愛した古本の街でもある。近年では小さなギャラリーも増え、東京の中でも文化的な香りの強い場所の一つと言えるだろう。そして今、本郷三丁目駅至近にある雑貨ギャラリー、Mitteでは「ソ連の年賀状展」が開催されている。

 

公式HP:    http://mitte.lomo.jp/
公式blog: 親愛なる雑貨日記by 本郷 Mitte
twitter:     雑貨屋「ミッテ」 公式アカウント
会  場:    Mitte本郷ビル4F(東京都文京区本郷3-33-3)
会  期:    2014年12/21(日)~1/12(祝) ※12/29、12/31、1/1 休み
時  間:    12:30~19:30

 

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 Mitteは主としてヨーロッパ圏の雑貨を扱う店だが、今回の展示内容は旧共産圏諸国のカードである。ウクライナなど、欧州に比較的近い場所のカードは概ね可愛らしいが、ソ連のものはモチーフが面白い。

 

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 例を挙げればきりがないが、サンタがコンピューターをいじっていたり、モミの木やロケットと一緒に描かれていたりするのは、恐らく科学技術を推奨しているのだろう。また年号と工場労働者が描かれているものは、労働の賛美だろうか。

 

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 ソ連は新暦(グレゴリオ暦)ではなく旧暦(ユリウス暦)でクリスマスを祝う。新暦と旧暦では13日の差があるため、ソ連のクリスマスは新暦での1月7日となり、新年より先である。そのため年賀状の多くはクリスマスカードを兼ねることになり、サンタが新年を祝うイラストが多く採用される。

 

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 そしてロシアのサンタに該当する人物は、民話に登場する「マロース爺さん」という雪の精で、青い衣装を纏った姿で描かれる。物語の上で、マロース爺さんは子供に冷風を吹きつけ、「暖かいか」という問いを投げかける。そこで「暖かい」と言えばプレゼントを与えられ、「寒い」と言えば凍死を与えられるそうだ。マロースは「厳冬」「吹雪」を意味するとのことで、その名にふさわしく厳格なキャラクターである。

 

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 Mitteで展示されている400枚もの年賀状は、グリーティングカードであるにも関わらずシュールでキッチュで、意図せぬユーモアを備えていた。その刺激に慣れると、普通の年賀状では物足りないような気がしてくる。  Mitteでは、この「ソ連の年賀状展」の前には、「ソ連の飴紙展」「上海の古書店で見つけた中国デザイン」など、変化球の展示が開催されてきた。可愛くて奇妙で希少価値のある企画が活きるのは、ここが本郷という地の、レトロなビルの一角だからだろう。今後も目が離せない空間である。

 

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