ラフォーレミュージアム原宿「魔女の秘密展」

[text and photo by 中野 昭子] 2016/03/01 UP

原宿という地名から連想する言葉はいろいろあるが,竹下通りやキデイランドなどから,まず最初に「若さ」が出てくることには間違いない。そんな刺激的で変化に満ちた原宿で,今「魔女の秘密展」が開催されている。

[左より声優・歌手の上坂すみれ氏,評論家の山田五郎氏。内覧会で本展の見どころを語った。] 

●公式HP:  http://majo-himitsu.com
●会場:  ラフォーレミュージアム原宿
●会期:      2016年2月19日(金)~3月13日(日) 
●時間:     11:00~19:00(入場は閉場30分前まで 最終日は17:00閉場のため入場は16:30まで)

 

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  会場であるラフォーレミュージアム原宿ですぐ目に入るのは,安野モヨコや石川雅之らの豪華イラスト。現代日本の漫画やアニメーションで解釈されている魔女のイメージが,ここでよく分かる。

 

 

 

  展示は「信じる」「盲信する」「裁く」「想う」という4つのセクションで区切られている。
 今でこそ化学の発展に貢献したと評価されている錬金術は,過去には魔法のように思われていたし,薬剤師や薬学者の道具や技術も,オカルトの類と区別されていなかった。
 また,グーテンベルグの印刷術は魔女の噂を広めるのに役立ったなど,近代的な技術や発想が, 迷信の流布につながってしまったことなどが判明する。

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 魔女裁判の拷問道具や審問が体験できるコーナー,火あぶりがリアルに再現されている展示などもある。強要された自白がそのまま採用されてしまう裁判とはなんとも恐ろしい。後に科学技術が発達すると共に魔女裁判は廃れ,自白よりも客観的な判断が採用されるようになったという。

 

 

  日本で「魔女」と言って連想されるのは,黒い衣装を身にまとう,魅力的な女性だろう。つまり本展の会場であり,先鋭的なファッションビルであるラフォーレ原宿にふさわしい客層である。この展示は,そうした客層の来訪を誘う魔女の魅力を示しながらも,ヨーロッパの魔女たちの負の歴史を同時に紹介している。

 

  本展は最初にドイツで開催された際,多くの反響を得たそうだ。魔女を生み出した歴史への反省が大きいのだろうが,現代という時代への危機感も原因の一つではないだろうか。魔女狩りはいじめと類似しており,いつの時代にも起こりうるし,社会の抑圧や差別と比例して増加する。魔女のミステリアスなイメージの背後には,迫害された人々の影,本来守られるべきだった弱者の声なき声が隠れている。本展で魔女の秘密に触れながら,その事実はいつでも忘れずにいたい。

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