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 アートな読書☆in秋
アートな読書 in秋 秋の夜長に、読書でも!

秋まっさかり!(もう冬?!)

秋といえば、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋
ということで、今回は芸術関連の書籍をご紹介!

今回は、Art inn編集室関係者オススメの、「アートな読物」をご紹介いたします。
皆さまの心のアンテナにひっかかる書籍が見つかるでしょうか☆


Art inn編集

室 山田
編集室 山田
本のタイトル
『日本橋檜物町』 (平凡社ライブラリー) 小村 雪岱 (著)
あらすじ
2009年12月15日(火)~2月14日(日)に埼玉県立近代美術館での企画展「小村雪岱とその時代」も待ち望まれる日本画家小村雪岱の自叙伝。
自身の美的体験エピソードから、のちに数々の挿絵・装幀の名作を手掛けることとなる泉鏡花との出会いまで、優美な筆致で綴られる一冊。
巻末の鏑木清方の雪岱への追悼文が胸を打つ。
紹介者からのコメント
雪岱は、個人的にもっとも好きな作家の一人。
同じ埼玉出身ということに親しみを感じつつ、日本人の心の機微を精緻に掬い取り、視覚化した静謐な世界観は永遠の憧れ。また、画才のみならず、文才にも長けていたことに驚かされました。幼少期、東京から川越へ引っ越す際、舟上で見かけ、幼心に焼き付いた物憂げな美女のおもかげや、芝居小屋の阿修羅似の少女との出会いなど、雪岱の美の原点が窺える貴重な一冊です。
msx
msx
本のタイトル
『ナジャ』  (岩波文庫) アンドレ・ブルトン (著), 巖谷 國士 (翻訳)
あらすじ
「私は誰か?」シュルレアリスム運動の最盛期、1928年に発表されたブルトンの代表作は、自分への問いかけから始まる。
実際に出会った人物、おこった出来事、発せられた言葉を、克明に記録するというこの新しい「小説」は発表当初より賛辞にかこまれ、
35年後、「著者による全面改訂版」としてふたたび世に送り出された。(Amazon.co.jpより転載)
紹介者からのコメント
私がここでこの本を取り上げるのは、シュルレアリスムのリーダーであったブルトンが著述していること、キリコの絵の不思議に心を打つ事物配置やマックス・エルンストにまつわるエピソードたちが、印象的な挿絵とマン・レイによる写真と相まって、まるで夜のメリーゴーラウンドのように鮮やかに浮かび消失することが要素としてある。
しかし日常と非日常に美を追い求め、自らの感性が導いたことを、抽象で断ち切らずに言葉という道具を駆使して正確に伝えようとするブルトンの姿勢は、シュルレアリスムに一つの領域に留まらぬ運動としての躍動性を与えたのだろうし、何より全ての芸術家に通底する創造者としての気概を感じさせる。
より多くの精神に共鳴する機会があれば、恐らくより多くの美を示唆するものとして、この本を登場させたく思う。
中之条通信で
おなじみ!小屋一郎
小屋一郎
本のタイトル
『稽古の言葉』 (フィルムアート社) 大野 一雄(著)
紹介者からのコメント
この本は舞踏家 大野一雄さんが研究生に語った未公開テープの肉声が本になったものです。短い文章がたくさん載っていて、最初から読んでもいいしパラッと開いたところから読んでもいいし、飽きないです。あ の言葉読みたいな、と思って探してみると前に感じたニュアンスとだいぶ違っている。
なんだか読むたびに発見があり、こんなことかいてあったっけ、という具合です。言葉が即興ダンスをしている。そんな印 象です。しかしさすがに稽古の言葉だけあって「いくらテクニックでやったって、自分の内部にないものはいくらやったって響いてくることはないですよ。間違いないです。」なんて言われると、いつもはパランパ ランな方向を向いている矢印がだんだん自分の方に向いてきてしまい、そういう意味ではなかなか緊張感のある1冊なのです。
明孫浩
明孫浩
本のタイトル
『ジャコメッティとともに』 (筑摩書房) 矢内原 伊作 (著)
あらすじ
本書は哲学者・評論家である矢内原伊作氏が5年間モデルを通じて見た、ジャコメッティの制作姿勢を綴ったものです。
筆者の矢内原伊作氏は偶然知り合った彫刻家ジャコメッティのモデルをする事になります。矢内原氏は1度だけで終わると思い引き受けたモデルでしたが、ジャコメッティの芸術に対する姿勢に圧倒され、その後5年間その役目を担いました。
最初はジャコメッティの異常性に困惑する矢内原氏ですが、次第にジャコメ ッティの熱意に対し芸術家が本来あるべき本位の姿を見出し、その存在に惹かれて行きます。
(1) 暗くなっても「まだ鼻の頭は見える」と言い描き続ける。
(2) 「照明の光は嘘だ!目に見える事だけが真実だ!」と言って電気を点けない。
(3) 「昨日より確実に良くなった!」と毎晩言い続ける。
(4) 「昨日までの事は全て間違いだ!」と毎朝言い続ける。
(5) 新しい事を発見するとその都度「アイー!」と奇声を上げる。
(6) 朝食を近所の喫茶店で食べながら新聞紙にデッサンをして怒られる。
(7) 煙草と灰皿とマグカップの最も美しい配置を2時間考える。
(8) 1本しか毛の無い筆を片手に「もっと細い筆があれば描けるのに!」と嘆く。
(9) (1)~(8)まで毎日毎年繰り返す。
紹介者からのコメント
芸術家とは何か?
作品を作る事が芸術家であろうか?
作品を何とか売り日々の糧を得るのが芸術家であろうか?
否。芸術家とは自らの信念に基づき挫折と苦悩と歓喜を以ってして美を表現する 者である。
我々はその過程を作品を通じてその一片を垣間見る事しか出来ないのだ。
こいさん
こいさん
本のタイトル
中公新書『東京美術骨董繁盛記』 (中央公論新社) 奥本大三郎(著)
あらすじ
『東京美術骨董繁盛記』は、フランス文学者で日本昆虫協会会長、日本アンリ・ファーブル会理事長でもある著者が、京橋の美術骨董商を訪ね、主人から聴いた話や所感を店ごとに綴ったエッセイで、2002年から2004年まで雑誌「中央公論」で連載した同名の記事を一冊の新書にまとめたものである。
紹介者からのコメント
「一目見て惚れた品が欲しくてたまらぬときの、それこそ狐か魔物にでも憑つかれたような、寝ても覚めても欲しい、欲しいと矢も立てもたまらぬ気持ち。苦労の末、首尾よくそれを手に入れたときの、天にも昇る歓び、そしてとり逃がしたときの地団駄踏むような悔しさ、無念さ。」(本書あとがきより)
骨董品に限らず、このような思いをこれまでに一度くらいは抱いたことがあるのではないだろうか。
実際に、北大路魯山人、小林秀雄、川端康成などの文化人も骨董品、古美術品に魅せられ、時に歓びに沸き、時に悔しさに涙したという。「物欲」というと、なにやらえげつない響きがするが、衣食住の不足が一段落した今日において、もっとも根源的で普遍的な欲求であり、それを自覚することこそが人の営みを豊かにする原点なのだと思うのである。さまざまな種類の骨董を扱う店が登場するが、そこに通底するのは、「もの」に対するひたむきな思いである。著者独特の軽妙洒脱な文体が、ピュアな欲望の渦巻く骨董の世界へと誘う。
イラストレーター A子
イラストレータA子
本のタイトル
『雨柳堂夢咄』 (朝日新聞出版 ソノラマコミック文庫)  波津 彬子 (著)
あらすじ
骨董屋・雨柳堂に集まるいわくつきの品々。それらが宿す想いは時に、人と奇妙な縁を結ぶ。その繋がりの糸が織りなす物語を読み解くのは、店主の孫息子・蓮。古美術が映し出す人の愛と情、この世の幻想と怪異を流麗な筆致で描く骨董不思議因縁譚シリーズ。(Amazon.co.jpより転載)
紹介者からのコメント
「骨董品が人を選ぶ」。骨董世界にはそんな考え方が存在していると言います。このマンガでは、そんな骨董世界の不思議が幻想的な美しさで表現されており、読むものをその世界観に引きずり込みます。
小さな骨董屋に集まってくる、魂を持った骨董たち。それらを通して見えてくる人々の縁。江戸~明治・大正あたりの日本ならではの、しんみりと心に響くストーリーが沢山詰まった一冊です。

この作品を読んだ後は、どんな美術作品でも、ぱっと見た瞬間に気に入ってしまうようなものは、作品側が私達を呼んでいるのかもしれない。なんて思ってしまう不思議な作品です。
OL U-子
OL U-子
本のタイトル
『ルネサンス画人伝』(白水社)  ジョルジョ ヴァザーリ (著), 平川 祐弘 (翻訳)
あらすじ
イタリア・ルネサンスの画家・彫刻家・建築家の生涯を綴ったもので、ジョットからミケランジェロまで登場する。歴史書的な要素が強いが、ところどころにちりばめられたエピソードが面白い。建築家として名を馳せるヴァザーリの別の一面が見えるといえよう。
続編に『続ルネサンス画人伝』『ルネサンス彫刻家建築家列伝』(ともに白水社)がある。
紹介者からのコメント
OL U-子が「美術の本」として唯一浮かぶ本。(これって凄いでしょ??)
ルネサンスがよ~く分かる、好きになる?本です。16世紀に書かれた本なので、古典といえば古典なんですが、だからこそルネサンスの雰囲気がバンバン伝わってきます。
これを読みきったらあなたも「ルネサンス博士」デス。
読み耽りすぎに注意! 心惹かれる書籍はありましたでしょうか?

紅葉の美しい眺めを鑑賞しながら、温かい飲物と一緒に秋の美術館カフェでゆったりと読書も素敵。
そんな、秋ならではの贅沢なひと時をお楽しみください。

[illust by A子]