■ 目黒に行ったら、目黒区美術館と“バタドラ”
「バタドラ」をポケットに忍ばせていれば、そぞろ歩きも「佳き哉、よきかな」。 |
今年の暖冬は、地球環境の先が思いやられる異常さだが、暖かいのはありがたいことで、2月だと云うのに足取り軽くいそいそと散歩に出かけている。
週末に目黒区美術館へ行ってきた。当地は桜で名高い目黒川沿いに位置し、散歩には申し分のないロケーション。最寄りの和菓子処「T屋」の「バタドラ」をポケットに忍ばせていれば、そぞろ歩きも「佳き哉、よきかな」である。
「バタドラ」の本名は「バターどら焼き」。かいつまんで云えば、普通のどら焼きにバターをプラスしたお菓子で、今では全国各地で類似品に出くわすが、この味を教えてくれた「T屋」の「バターどら焼き」は特別で、親愛と敬意をこめて「バタドラ!」との愛称で呼び、「T屋」の、否目黒の銘菓(名物)と勝手に決め付けている。
バターとあんこ。互いに主役クラスの素材の融合は、掛け算になるのか、割り算となってしまうのは? 果たして掛け算となったことは「T屋」のそれが如実に物語っている。
少々固めにホイップされた生クリームの如きバターは色白で口溶けが良く、青えんどう豆と富貴豆の緑色のあんこは目に鮮やかで味もサッパリしている。
互いの味わいを消し合わず「バターはバター、あんこは豆の味」をシッカリ主張している。素材選びなど、工夫が誠意の味となって現れている辺りが実に好ましい。目黒区美術館にお出かけの折は、ぜひお試しを。
和菓子処「T屋」へのアクセス
目黒区美術館から山手通りに出て左折し、目黒通り方面へ向かって50m程歩いた左側。店先に「バターどら焼き」の張り紙あり。ひとつ168円也。
TEXT by Sakae Ishikawa



「バタドラ」をポケットに忍ばせていれば、