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 ヘンリー・ダーカーとアウトサイダー・アート

「ヘンリー・ダーカー 少女たちの戦いの物語-夢の楽園」を原美術館のオープニングで観た。


アウトサイダー・アートという美術用語がある。
特に芸術の伝統的な訓練を受けていなくて、名声を目指すでもなく、既成の芸術の流派や傾向、モードに一切とらわれることなく自然に表現した作品のことをいい、特に、子どもや、正式な美術教育を受けずに発表する当てもないまま独自に作品を制作しつづけている者などの芸術も含む用語なのだそうだ。
そして、一般には、知的障害者の作品をいうこともままあるそうだ。

ヘンリー・ダーカーはアウトサイダー・アートの代表的な作家として位置づけられている。
確かに彼は、社会的には知的障害者と見なされていたらしい。
誰に見せることもなく半世紀以上、自分の「妄想」を書き続けた、と。
けれども、作品自体には、そんなことは関係ない。知的障害者の創造した「妄想」の作品という観念で鑑賞したのでは、作品そのものの素晴らしさは味わえないだろう。

ヘンリー・ダーカーの作品群…。
その物語の世界に、もっとどっぷりと浸かってみなくては、と思った。

生涯を通して、発表など意図せずに創造し続けること。
家族の幸福も社会的地位も安定も顧みずに作品を描き続けるということ。
その尊さに敬意を覚えるのでなければ、ダーカーの世界には入り込めない。

そしてその世界に入り込むということには、相応の覚悟と諦念が必要だろう。

そうしてから、感想を書こう。

[Art inn staff Junichi Ishikawa]


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