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 ミステリーは美術館がお好き!?
美術館は、ミステリー映画の舞台に打って付けなのかもしれませんね。
『めまい』 発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン税込価格:1,500円 ヒッチコック・コレクション キャンペーン 2007年 6月14日 発売

 先だって、茨城県の「笠間日動美術館」(特集のバックナンバー「ジョン・レノン IN NEW YORK CITY ボブ・グルーエン写真展」参照)へ取材に行った時のこと。「この辺りだと陶芸ファンの来館も多いのでは?」との質問に「いえ、当館だけが目的の来場者も多いです。中には、たった1枚の絵画に魅了され、その絵だけを年に数回、観に訪れるお客様もいます」と、学芸員のSさんは応えてくれました。「一体どんな絵なのだろう?」。
その人物と絵の間には、やんごとなき秘密があるのでは? と妄想が膨らみ、ある1本の映画を思い出しました。アルフレッド・ヒッチコック監督、1958年の作品「めまい」。

 1枚の肖像画に魅了された美しき人妻・マデリンは美術館に通いつめ、その不可解な行動に疑惑を抱いた夫は、友人の元刑事・スコッティに妻の尾行を依頼。尾行を続けるうちに彼女を愛してしまうスコッティだが、マデリンは彼の目の前で自殺を遂げてしまう……。
 1枚の絵が、巧妙に仕組まれた殺人事件の“鍵”になっている古典的ミステリー。人影もなく、乾いた靴音だけが響く脆弱な館内。非業の死を遂げた美女・カルロッタの肖像画(おそらく常設展示品?)と、ソファに腰掛けてその絵を見つめるマデリン。彼女を背後から伺うスコッティに無言で1枚の展示目録を渡す係員……。

 映画の顛末はDVDで観ていただくとして、こんな塩梅で映画の前半に登場する美術館のシーンは、カッコイイ“大人の世界”として憧れを抱きました。「めまい」での登場人物になった気分で、1枚の絵に取り憑かれるのもいいかも。
まさか殺人事件に巻き込まれないでしょうが、「めまい」をはじめ、殺人鬼レクターを描いたヒット・シリーズの第3作「ハンニバル」(現在、最新作「ハンニバル・ライジング」が公開中)では、主人公レクターがフィレンツェの美術館・館長に就任するというくだりがあります。美術館は、ミステリー映画の舞台に打って付けなのかもしれませんね。

TEXT by Sakae Ishikawa