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 NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]「オープン・スペース 2010」

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]「オープン・スペース 2010」
[ text by yok] 2010/6/15 UP


ICCオープン・スペースとは、年度を通じて開放される入場無料のコミュニティ・スペースです。様々な芸術、インタラクティブアートやインスタレーション、さらにはパフォーマンス等を通じて、いろいろな形のコミュニケーションを図ることを目的としています。
今回のオープン・スペース2010で刺激を受けたものをいくつかご紹介します。


会 期
2010年5月15日(土)~2011年2月27日(日)


《ジャグラー》 グレゴリー・バーサミアン

ワイヤーで作られた曲芸師(ジャグラー)人形らが宙に投げ出したものが、サイコロからパラシュート、受話器等に変化しながらクルクルと回り続けます。

このユーモラスな動きをする作品の仕組みとしては、簡単にいうとパラパラまんがのようなもので、静止した物体に連続的にストロボを当てることで、まるで本当に動いているかのような効果を与えています。丁度、「ソーマトロープ」や「フェナキスティスコープ」の原理です。実際は静止しているのに、そのスムーズな動きに驚かされます。


《パラレル・イメージ》 ゲープハルト・ゼンクミュラー+フランツ・ビュッヒンガー

文章だけではお伝えしにくいですが、この作品はとても原始的なテレビのようです。

天井から平行に吊り下がっている2枚の板の間は、無数のコードで繋がっていて、一方は電球が多数取り付けられた四角い板で、これは常に点灯し、もう一方の電球の無い板には光が当てられており、その光を遮ると、もう一方の板の電球が消えます。

とてもシンプルな仕組みですが、ただ影のように揺らめくだけの映像(正確には電球の明滅)を見ていると、不思議と落ち着くような感覚でした。さらに、この技術が発展して現在のテレビとなったわけですが、そう考えると今普及して普通に見ているテレビはすごいものなんだ、と改めて実感しました。


最後に、
《10番目の感傷(点・線・面)》 クワクボリョウタ

照明を落とした部屋の、床一面に張り巡らされたプレレール上をゆっくりと走りながら小さく発光する列車が次々に投影する様々な街の景色は、まるで車窓から眺めているような感覚になります。

街を模るべく配してある小道具はすべて日常よく見るもの、洗濯バサミや色鉛筆だったりするのですが、それが見た人のイメージで何にでも変化します。
私には洗濯バサミは橋に、色鉛筆は煙突のように見えました。

とくに秀逸なのは、列車がちいさなトンネルを通過する時。トンネルの隙間から光が漏れて、壁に放射状の輪をつくるのですが、まるで実際に自分たちが列車に乗っているかのような感動と高揚感があります。

指の先ほどの小さな列車に乗って、一部屋に作られたちいさな街を旅している気分になれるのです。そして影で作られた景色はどこか懐かしく、ほぼ無音であることも私たちの記憶の底に眠っている記憶を思い起こさせる手伝いをしているのではないでしょうか。
ずっと見ていても飽きることのない、ノスタルジックな作品です。

オープン・スペース2010は、2011年2月27日まで開催しています。他にも、みどころのある作品が多く展示されていますので、ぜひこの機会に、メディアアートに触れてみてはいかがでしょうか。
もうすぐ夏休み、お子様たちもきっと楽しめると思いますよ。


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