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 金沢21世紀美術館「金沢21世紀美術館 開館5周年記念展 Olafur Eliasson"Your chance encounter" / オラファー・エリアソン ーあなたが出会うとき」
Olafur Eliasson Your atmospheric colour atlas, 2009 Fluorescent lights, aluminium, steel, ballasts, haze machine Dimensions variable Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo Photo: Studio Olafur Eliasson © 2009 Olafur Eliasson
 色や光を駆使した作品によって、人間の知覚の仕組みに問いかける作品で知られる現代美術作家、オラファー・エリアソン。金沢21世紀美術館は、開館5周年記念展として、新作を中心に構成する、大規模な個展「Olafur Eliasson Your chance encounter / オラファー・エリアソン ーあなたが出会うとき」を開催します。

  • 会 期
    • 2009年11月21日(土) ~ 2010年3月22日(月)
  • 休場日
    • 毎週月曜日(ただし、11月23日、1月11日、3月22日は開場)、11月24日(火)、12月29日(火)~1月1日(金)、1月12日(火)

Olafur Eliasson Your atmospheric colour atlas, 2009
fluorescent lights, aluminium, steel, ballasts, haze machine
Dimensions variable
Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo
Photo: Studio Olafur Eliasson © 2009 Olafur Eliasson

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開場時間

10時~18時( 金・土曜日は20時まで)
※1月2日(土)、3日(日)は17時まで  ※チケットの販売は閉場30分前まで

入館料

一般1,000円(800円) / 大学生800円(600円) / 小中高生400円(300円)/ 65歳以上の方800円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
Olafur Eliasson Slow-motion shadow in colour, 2009 HMI lamps, colour-effect filter glass (yellow, orange, red, magenta, blue, green), steel Dimensions variable Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo Photo: Studio Olafur Eliasson © 2009 Olafur Eliasson  光、影、色、霧、風、波などの自然界に見られるさまざまな要素によって特徴づけられるエリアソンの作品群は、科学的な仕組みを問うものではなく、現象を作り出す仕掛けは作品の中で明らかされています。そのために、人々は却って「見る」という行為を純粋に楽しみ、取り巻く環境の中に新しい発見や体験をする機会とすることができるのです。たとえば作品《Your atmospheric colour atlas, 2009(大気の色地図 2009年)》は、大きな展示室いっぱいに人工的に霧を発生させ、3色の色付き蛍光管から発せられる色で空間が埋め尽くされます。人々は色同士が混じり合う位置に自らが動くことで、無限に自分だけの色を創りだすことができます。また、SANAAが設計・デザインした美術館を建築的・機能的に深く読み解き、金沢21世紀美術館を成り立たせる、さまざまなファクターに大胆に挑みます。作品《Eye activity line, 2009(アイ・アクティビティ・ライン、2009年)》はA4サイズ程度の異なる色のキャンバスが、長い通路沿いの壁に317枚展示されます。鮮やかな色パレットのような作品をたどる視線によってあらためて空間を意識することができます。

 このように金沢21世紀美術館の建築の特徴を生かし、作品を介して内と外を親密に関係づける試みや、回遊性や水平性を生かすように、展示室のみならず通路や休憩スペースにも作品が展示されます。人々は場所を移動するうちに、見慣れた美術館の空間がエリアソンによって新しく生まれ変わった様子に驚くことでしょう。
 エリアソンは新世代の美術館機能を担う金沢21世紀美術館が「まちにひらかれた美術館」として社会的機能を果たしていることにも注目し、美術館が社会から切り離された芸術を鑑賞するためだけの空間ではなく、社会や都市の環境と深く関わることができるという可能性を、展覧会を通して再提案します。(本展キュレーター:黒澤浩美)
Olafur Eliasson Slow-motion shadow in colour, 2009
HMI lamps, colour-effect filter glass (yellow, orange, red, magenta, blue, green), steel
Dimensions variable
Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo
Photo: Studio Olafur Eliasson
© 2009 Olafur Eliasson

□ オラファー・エリアソンによるステートメント
Your chance encounter


 私はこの展覧会で、美術館内とその周辺で一連の空間的実験を展開し、来館者がいかに動きというものを感知し、反応するかを試します。この方法を通じて人々に再考して欲しいのは、美術館が芸術と現実に深く関わる貴重な公共の空間であり得るということです。私にとって美術館を現実の一部と考えることは重要なことです。美術館は日常の関心事、政治、社会的交流から切り離された、芸術を鑑賞するためだけの中立的な空間ではありません。それどころか美術館が提供すること、或いは提供すべきことは、それが社会や都会の環境と深く関わることができるという可能性です。金沢21世紀美術館はそれ自体が都市というものの姿を表しています。例えば、各々異なる空間的特性を持つ展示空間は、ネットワークのように繋がった通路を進む来館者によってうまくリンクされています。このように美術館の中で起きることは、金沢市、住民、来館者、作られた環境だけでなく、見えにくい無形の構造とも関連性を持っています。私の願いは作品と美術館の構成の両方について展示を通して提案することですが、勿論この施設のお陰で容易になったアート・コミュニケーションのパターンにも注目します。作品そのものと同様に作品を取り巻く状況も展覧会の中心的要素になっています。従って美術館のギャラリーだけでなく、廊下や中庭まで利用しています。これらはすべて包括的アートプロジェクトと私が考えている中に統合され、動き・知覚・色彩・光を探査します。作品は時空の連鎖を生みだすように整理され(多くは短命なものですが)SANAA が設計した美術館の建築概念の真髄を拡大しようとします。作品が示唆するのは、来館者が芸術を体験するためには動きが不可欠であるということ、そして時間は作品にも建物にも欠くことができないということです。

 美術館の別の会場では、来館者に空間を測れるような道具を提供して、空間の大きさを分かりやすくしたいと思っています。この方法を用いることで、これまで空間の基準とされてきた考えを覆いて、人々が環境の中で自身を適応させる方法を明確にしたいと思います。私はこの展覧会のためくの新作(光と色の映像と屈折も含む)を制作しています。私が最近行った色素の研究に基づいたカラー・スペクトル・ペインティングは、東西に延びる美術館の通路に設置されます。その他にも、水・日光・霧・空気の循環などのテストも行います。

 私が始めたいと考えているのは、人々の経験に対して様々なフィルター(色、光、いろいろな自然現象)を使いながら、美術館と公園及びその都市の環境について、それぞれが少なくとも一つの理想を実現するために創りだされた建造物であることを前提にして考察することです。私はこの重大な再調査を行うことは大変貴重だと考えています。都市、建物、美術館などに具現され再現されている権力構造や計画性は交渉されうるものですから、ある程度変更できるということです。芸術が人々にそうするように仕向けることができれば、多くのことが成就されるはずです。そしてもしもそのような行動に自身が参画している状況に対する責任感が伴えば、新しいレベルの臨界点に到達できるのです。これを日々の生活の中で行うのは難しいことではありません。芸術が目覚めさせる観念や感覚が何であれ、それらは一般的な生活と密接に結びついています。美術館はそれを利用する人々がいなければ無意味なのですから、展覧会は究極において彼らについてのことなのです。
(翻訳:西沢 三紀)

Olafur Eliasson
オラファー・エリアソン

□ 作家略歴
オラファー・エリアソン Olafur Eliasson

1967年コペンハーゲン生まれ、現在ベルリンとコペンハーゲンに在住。
1989年から1995年まで、王立デンマーク芸術アカデミーで学ぶ。
1995年ヴェネツィア・ビエンナーレに初参加以来、シドニー・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレ(いずれも1998年)、横浜トリエンナーレ(2001年)など、世界的な国際展に招かれている。
欧米の主要美術館において個展を多数開催する中、2003年、テート・モダン(ロンドン)のタービン・ホー
ルで発表した《The Weather Project(ウェーザー・プロジェクト)》は、特に大きな成功を納め、日本においても広くその名を知らしめることになった。自然界におけるさまざまな要素―光、影、色、霧、風、波を作品に取り込み、鑑賞者の視覚や認識を揺り動かすことについて定評がある。
パブリック・アートの代表例としては、2008年にニューヨークのウォーター・フロントに4基の人工の滝を出現させ、作品をとりまく環境との関係をダイナミックに表現したものとして記憶に新しい。
他に、自然界の様々な現象や形に関心を持ち、鏡面の多面体の内部に入り、光や像の屈折を楽しむ作品などもあり、そのうちのひとつ《La situazione antispettiva(反視的状況)》(2003年)は金沢21世紀美術館のコレクションにも加えられている。

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