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 世田谷美術館分館 宮本三郎記念美術館 収蔵品展「宮本三郎 美を語る言葉」
「若き妊婦」1964年
「若き妊婦」1964年
 本展では、宮本の蔵書などの関連資料も交え、彼の美術論や作品批評、自作について語った言葉などをご紹介しつつ、自身の創作活動との間に生じる相関を考察したいと思います。
  • 会 期
    • 2009年12月5日(土)~2010年3月22日(月・祝)
  • 休館日
    • 毎週月曜日(ただし祝休日の場合は開館、翌日休館)

開館時間

10:00~18:00(最終入館は17:30まで)

観覧料金

一般200円(160円)、大・高生150円(120円)、中・小生、65歳以上、 障害者の方100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中・小生は土・日・祝休日は無料。
※障害者で小・中・高・大学生、および障害者の介護者
(当該障害者1名に付き、1名に限る)は無料。

絵は毎日描いていても、さて、それを一歩前進させたり、一段と高所に進むことはなかゝ困難事であることが想われる。
或る限られたモチーフに取り組み、それを或る期間中ひた押しに進めることで、一歩でもその深味に入り込み得ないものかとは、つねに念願して居ることだ。
つまり、自身に或る強度の制約を課し、日々を或る主題の中に規制することで、傑作秀作の可能性の中に追い込もうと考えるものである。

宮本三郎「花と裸婦を描く」(『三彩』一九六七年 八月号)



眼は心の窓などと言われているけれど、美術史上に表わされて来た“眼”の歴史を探ぐると、“心の窓”としての眼の表現はつねに変り続けて来ていることが分る。例えば古代エジプトや、ビザンチンのモザイクなどの聖像たちの眼は大きく見開かれてはいるけれど、どちらかと言えば物を見ていない眼である。で、歴史上の“眼”の表現を大別すると、“見ている眼”と“見られている眼”とがあるように思う。 

宮本三郎「眼の描き方」(『美術手帖』一九六七年 二月号)



宮本三郎(1905~1974)が画業の中で残した、様々な「美」をめぐる言葉。それらを手がかりに、私たちは彼の絵画表現をどのように読み解くことができるでしょうか。
戦後の洋画壇きっての論客としても知られた宮本は、五十年にわたる画家生活の中で、多彩な絵画技法とともに、美術に対する深い造詣を身につけていきました。戦前・戦後を通じ、数々の美術雑誌で古典絵画の紹介から近代絵画の作家論を寄稿するほか、多くの美術評論家や画家達との対談に参加しています。また、著者『人物の描き方』や雑誌『アトリエ』では、絵画を学ぶ人々に向けた技法解説を、実技も交えて丁寧に指導しました。
一方、絵画表現においては一定の画風や様式に留まることなく、身につけた様々な知識を咀嚼・吸収し、作品の随所で自らの表現として描出しながら、独自の写実表現を追及していきました。その変幻自在ともいえる表現方法は、生来のデッサン力に加え、長年の研鑽で獲得した高度な技術に支えられていました。
本展では、宮本の蔵書などの関連資料も交え、彼の美術論や作品批評、自作について語った言葉などをご紹介しつつ、自身の創作活動との間に生じる相関を考察したいと思います。



私の五十年はまた「時代」という魔物の強圧に対応出来るような自分の中の「気質」の発見への模索にあったかと思うが、二十歳代の後半から三十歳の初めに、或る様式と或る方向を見出し得て、私の作画が活気づくのであるが、この傾向は、近頃のそれとも相通じるところがあって、そこに、より正直な「私」の姿を見出し得るように思える。

宮本三郎『画集 宮本三郎』(一九七三年、毎日新聞社)



(前略)一見写実的な絵に見えるが、実物に倣って描写したところは、実は何処にも無いのである。(中略)画家の主観が、抽象的な画術をかりて、一気に対象物を征服し、そこに在るが如く実感させているのである。

宮本三郎「アンドレ・ドラン《静物》」(『美術手帖』一九五四年 十一月号)


□ 「宮本三郎 美を語る言葉」展関連企画
<作り手から見た、宮本三郎vol.3>
「若き作家たちと読み解く、宮本三郎の美術論」


今年度から始まったレクチャーシリーズ<作り手から見た、宮本三郎>。様々な分野で活躍される方々をお招きし、作り手の視点から、宮本作品について語っていただくという試みです。
これまで、vol.1では平野甲賀氏(装丁家)、vol.2では荒井良二氏(絵本作家)を迎え、各回ともご好評をいただきました。

本展では、近隣の多摩美術大学造形表現学部と連携し、若き作家たちの視点から宮本三郎の思考と作品にせまります。50年前に出版された宮本の技法書や美術論などを大学の授業で読みこみ、その成果を美術館にてレクチャーしていただきます。

「若き作家たちと読み解く、宮本三郎の美術論」
日時:2010年1月23日(土)14:00~15:30
メインパネリスト:青木 淳(多摩美術大学准教授・美術史家)
会場:世田谷美術館分館・宮本三郎記念美術館  参加費:500円 (申込先着50名)

※イベント情報や申込方法は、(財)せたがや文化財団情報紙「情報ガイド」(区報の折込、毎月25日号)、または宮本三郎記念美術館ホームページなどでお知らせいたします。

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