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 第1回 金沢・世界工芸トリエンナーレ
イ・スギョン
《Translated vase》
写真提供:オオタファインアーツ
イ・スギョン 《Translated vase》
写真提供:オオタファインアーツ
 金沢市では、1995年の「世界工芸都市宣言」以来、「世界工芸都市会議・金沢」および「世界工芸コンペティション・金沢」を開催してきました。本トリエンナーレは、双方の主旨を継承しながら統合し、発展させたものです。第1回目となる今回は、秋元雄史をディレクターとし、5人のキュレーターによる展覧会とシンポジウムを開催します。時代とともに変化する工芸の位置づけや枠組みを問いながら、新たに生まれてくる新しい時代の工芸を金沢へ、そして世界へ紹介します。
  • 会期・会場
    • 2010年5月8日(土)~6月20日(日)/リファーレ2F ※月曜日休、ただし5月10日は開場
      2010年5月8日(土)~5月16日(日)/金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA

  • テーマ
    • 工芸的ネットワーキング

開館時間

10:00~18:00

観覧料金

入場無料

□テーマ:工芸的ネットワーキング

秋元雄史(第1回 金沢・世界工芸トリエンナーレ ディレクター)

チャン・チンユン(張清淵)
《mislocated matrix 2009-11》  今日の工芸は、技術の集約物であると同時に、ある技術的な態度を伴った自己言及的な芸術概念を背後にもった産物でもある。だから、それ自体が常に「工芸とはなにか」という問いを含み、またそれは工芸という概念の補強、あるいは解体といったベクトルをもっている。その意味では、工芸は明らかに近代芸術の範疇である。

 工芸概念の補強に向かう動きを「原理主義型」、もう一方の解体に向かう動きを「多様型」としてみると、それぞれ双方の動きによって、ここでは詳細な説明を省くが、実は近代に生まれた「工芸」という概念についての表裏を担っている。工芸が問題視するのは大方この部分である。しかしここで問いたいのは、外に開く工芸の可能性であって、工芸の定義ではない。

 では、どのように進めるか。

 "工芸的な"と形容できる内容、技術、アイデアをクローズアップすることから始めたい。昨年のプレ展「金沢の工芸の現在」展で分かったように、工芸とそれ以外を分かつ鍵となるのは生産様式、つまりその周辺を含めた技術である。どのような技術が集積しているかということである。だからそれらがどんな可能性を作り出しているか、という観点で工芸の展開を考えていく。もし工芸の自己言及的な排他性を抜きにして、「工芸的な技術」だけを取り出すことができるならば、制作はどれだけ自由に幅広いものになるであろうか。そういう観点で展覧会を行う。

 冒頭にも記したように、本展は、工芸的なもの、「工芸的な技術」の拡がりと可能性に見当をつけるための(範囲には、ある限定を伴うが)場を提供するものである。そして、それが見る側に新たな工芸的なものの発見となれば幸いである。

 素材と技術が高い水準で調和したときに生まれるモノの状態やそれが作り出す空間の様子を工芸的な世界と呼ぶ。そんな特別な空間に出くわしたとしたら、知覚が解放されて、たぶん世界は普段見ているよりも、より現実的に、美しく、すてきに感じられるだろう。物の直接性が強調されて、細部が知覚へと訴えかけてくる。それは五感の明らかな解放であろう。工芸的な、このような経験の場所を作り出したい。

 その上で、工芸的ノッド(結束点)とそれによるネットワーキングを問題にする。隣接する他カテゴリーである建築、デザイン、現代美術と工芸を大きなネット上にあるものとして広く捉え、工芸的技術によって、新しいノッド(結束点)を作り出している作家の作品を紹介していく。ここでは工芸からだけでなく、さまざまな分野からのアプローチがあるだろう。ノッド(結束点)が工芸的技術によって生まれているのであれば、どのようなカテゴリーでも構わず、それらを「工芸的なもの」と呼ぶ。それらによって、狭義の工芸作品ではなくて、工芸的なものの考え方や技術のもつ可能性を捉えていく。
チャン・チンユン(張清淵)
《mislocated matrix 2009-11》
nendo
《cord-chair》
撮影:川部米応
nendo
《cord-chair》
撮影:川部米応
大樋年雄
《大樋飴釉窯変祭器》
撮影:姫野治雄
大樋年雄
《大樋飴釉窯変祭器》
撮影:姫野治雄

□ディレクター:秋元雄史

□キュレーター:チャン・チンユン(張清淵)、伊東順二、金子賢治、大樋年雄、秋元雄史

□出品作家:
青木千絵、チャン・チンユン(張清淵)、チェ・ジェウク、ちゅう右衛門、ディレク・アウ(歐汝明)、藤原絵里佳、原智、橋本真之、橋本夕紀夫、シー・メイイン(徐ォs瑩)、シー・ヨンシー(徐永旭)、ホアン・ウンイン(黄文英)、今泉今右衛門、板橋廣美、上出長右衛門窯、上出長右衛門窯+丸若屋、上出惠悟、加藤良将、キム・ミョン、小曽川瑠那、隈研吾、ミナ ペルホネン、見附正康、中川衛、中村信喬、中村卓夫 C-unit 佐藤 卓、中田博士、中島晴美、nendo、新里明士、小笠原森、扇田克也、大樋長左衛門(年朗)、大樋年雄、岡田直人、岡田直人+猿山修、坂井直樹、釋永陽、塩谷良太、城谷耕生、高村宜志、竹村友里、田中信行、寺井直次、三代 德田八十吉、辻和美、辻和美+ factory zoomer、植埜貴子、山村慎哉、イ・スギョン、ツァン・リンユン (張凌雲)

□イベント:詳細は公式HPをご覧下さい。

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