「長崎の美術2 長崎が生んだ風景画家 山本森之助展 」
《雨後》1928年 長崎県美術館蔵
長崎出身の洋画家・山本森之助(1877-1928)をご紹介します。山本森之助は明治10(1877)年、長崎市の老舗料亭「一力」の長男として生まれました。料亭の跡継ぎとしてよりも画家として生きることを選択した森之助は、明治29(1896)年に黒田清輝の主宰する天真道場に入門します。黒田清輝のもと、外光派独特の明るい色調を修得した森之助は、後に日本洋画壇の支柱となる白馬会を中心に活動し、日本画を思わせるような落ち着いた画風と精緻で的確な写実の技法とを併せ持つ優れた風景画を生み出していきます。
明治40(1907)年、政府による初の公設展覧会である文展が開設されると、森之助はその初回から出品し、3年連続受賞という快挙を成し遂げます。特に第2回展の《曲浦》、第3回展の《濁らぬ水》は森之助芸術の白眉といえるものです。森之助の作品は、アカデミックな技法が生み出す穏やかな画風によって当時から絶賛を博し、その画風は「山本式」と呼ばれ、数々の追随者を生み出しました。年間の大半を旅の空に過ごし、日本の美しい風景を次々にカンヴァスにおさめていった森之助はまさに近代日本美術を代表する風景画家といえるでしょう。
今回の展覧会では森之助の東京美術学校時代の初期作品から、滞欧期の色鮮やかなフランス風景、絶筆となった《雨後》まで、代表作30数点が一堂に会します。妻の山本ワカが大切に保管していた鉛筆によるスケッチや絵葉書、写真など未公開資料も特別にお借りし、森之助の全貌に迫らんとする展覧会です。回顧展としては実に34年振りとなります。この機会に是非、森之助の優美かつモダンな風景画の数々に触れ、森之助と一緒に世界を旅してみるのはいかがでしょうか。
開催期間
2006年11月29日(水)~2007年3月25日(日)
開館時間
10:00~20:00(入館は19:30まで)
休館日
毎月第2・4月曜日(祝日の場合は火曜日)
観覧料
一般400円(320円)・大学生300円(240円)・
小中学生200円(160円)・70歳以上300円(240円)
(美術館コレクション展観覧料)
電話
095-833-2110
開催場所
長崎県美術館 常設展示室
長崎県長崎市出島町2番1号

