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 町田市立国際版画美術館「菊池伶司とその時代」
《Observer2》(1968年)「菊池伶司とその時代」が、町田市立国際版画美術館で2007/4/4(水)~6/24(日)開催。
《Observer2》(1968年)

「菊池伶司とその時代」

《Observer2》(1968年)
《Observer2》(1968年)


 22歳という若さで世を去った菊池伶司(きくちれいじ)(1946-1968)。その短くも凝縮された制作活動から生まれた銅版画を展示します。

 菊池伶司(きくち・れいじ 1946-1968)は1967年から68年の2年に満たない期間だけ銅版画を制作し、22歳の若さで世を去った銅版画家です。制作した点数は60点余りといわれています。その内、24点の銅版画と55枚の原版がこの美術館に収蔵されています。いずれもご遺族の菊池洋子さんから寄贈されたものです。

 菊池伶司は幼少の頃、腎臓に病を患い、子供の頃からしばしば入院を強いられてきました。医者には受験勉強さえ控えるようにいわれたといいます。創作に熱中することなど言語道断、まぎれもなくそれは死に近づくことを意味していました。しかし菊池は、上智大学を中退してまで銅版画の世界に没入していきます。

 「生」を燃焼すれば死が確実に忍び寄ってくるという無慈悲な状況の中で、菊池が銅版画に刻んだものは、腎臓に似たソラマメ型の左右一対の形象など、人体の解剖図を連想する図形や、医者がカルテに書いた文字、病状を分析するバイオセンサーなど計測器の画面を思わせる医学的図像でした。まさしくそれは彼が見なれたあまりにも日常的な光景だったといえます。

 しかし、菊池の銅版画に死の予感や感傷的気分はそれほど感じられません。むしろ、彼が制作中に発見した新鮮な驚きや、イメージを刻もうとするエネルギーが見てとれます。いざなぎ景気の中に流れ込んだアメリカン・カルチャーや、ポップ・アートのイメージを読み取ることも可能でしょう。あるいは、菊池伶司が私淑していたという駒井哲郎や、活躍の絶頂にある池田満寿夫や加納光於、吉原英雄の版画を思い浮かべることもできるでしょう。菊池伶司の銅版画は、まぎれもなく、'60年代の風を敏感に感じた彼自身の感性の刻印であり、時代の遺産でもあります。


開催期間
2007/4/4(水)~6/24(日)
開館時間
平日 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
土曜日・日曜日・祝日 午前10時~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日
月曜
観覧料
無料
電話
042-726-2771
開催場所
町田市立国際版画美術館・常設展示室


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