トップ最新展覧会情報バックナンバー2008年7月, 東京>サントリー美術館「初公開 松坂屋京都染織参考館の名品 小袖 江戸のオートクチュール」
 サントリー美術館「初公開 松坂屋京都染織参考館の名品 小袖 江戸のオートクチュール」
 
菊模様小袖
江戸時代前期
松坂屋京都染織参考館蔵
 本展では、松坂屋京都染織参考館が呉服意匠創出のために収集した染織資料から、江戸時代初期より後期までを網羅する内容の小袖と、意匠の変遷を辿る上で重要な資料となる雛形本をはじめ、多彩なコレクションの一端を示す能装束や調度品など約300件をご覧いただきます。
  • 会 期
    • 2008年7月26日(土)~9月21日(日)
      ※作品保護のため期間中展示替えがあります。
      前期:7月26日(土)~8月11日(月)
      中期:8月13日(水)~9月1日(月)
      後期:9月3日(水)~9月21日(日)
  • 休館日
    • 火曜日

開館時間

〔日・月・祝日〕10:00~18:00 〔水~土〕10:00~20:00 ※いずれも最終入館は閉館30分前まで

観覧料

当日 一般1,300円、大・高校生1,000円、中学生以下無料

※団体割引は20名様より(一般1,200円、大・高校生900円)
※和服でご来館の方は当日料金より300円割引
チケットぴあ:Pコード688-200(前売券)、688-201(当日券)
ローソンチケット:Lコード35779(前売・当日券共通)


◆展覧会概要

 江戸時代の服飾形式の中心であった小袖は、形がシンプルなため、模様や色などの意匠を見せることが重視された衣服です。上層階級の女性たちは、小袖の意匠に想いをめぐらし、常に新しい表現を求めました。呉服商は、注文主である女性たちへ意匠を提案し、作り手との仲介者となり、小袖が仕立てられました。小袖はまさに江戸時代の高級注文服(オートクチュール)として生み出されたのです。

 季節や着用の場面に合わせて選ばれた小袖の意匠には、花や草木、風景の表現が多く見られ、自然の情緒を大切にする日本人の季節感が豊かに表出されています。また、身辺を飾る多彩な調度や器物を斬新な意匠へと昇華させるとともに、和歌や物語などの古典文芸を思い起こされる意匠を表すなど、小袖における独創的な表現からは背景となる日本の文化がうかがえます。

楼閣庭園模様帷子
江戸時代中期
松坂屋京都染織参考館蔵
・・・《展示構成》・・・

第一章 小袖もよう アートをまとう

 小袖は、直線裁ちの身頃や袖を繋いだ大きな平面を持つ衣服です。まるで絵画における画面のような小袖の表情に変化をもたらすものは、刺繍や箔押しに絞り・型押し・友禅などの染色による装飾でした。

 この章では、装飾様式の変遷とともに小袖に表現された特徴的な模様を、「四季を彩る花・草・樹」「もようの玉手箱 身近な品々から物語まで」「あこがれの名所 広がる風景」に分類して展示します。日本独自の感覚による、模様の題材や配置構成をご覧いただきます。

第二章 装いをめぐるとき

 現代の人々が季節の変化や儀礼の場面で衣服を選ぶように、江戸時代の女性も小袖を着替えました。季候に合せて夏は肌に涼しい麻や絽が素材として活用され、婚礼という特別な慶事には、華やかな装飾による吉祥模様があしらわれた衣装をつくり、子ども達には健やかな成長を願う気持ちを込めた模様を選びました。

また、日常の暮らしの中で外出や寝具に用いる小袖形式に類する衣服や、特殊な着装方法が見られる小袖など、小袖は多方面に利用されました。江戸時代の暮らしの一端を窺い知ることが出来る、小袖の多様な用途をご覧いただきます。

草花に波模様小袖裂
桃山時代
松坂屋京都染織参考館蔵
第三章 小袖へのまなざし

 江戸時代の女性たちは新たに小袖を作るとき、最新流行の模様を掲載した、現代のファッションブックといえる「雛形本」を参考にしました。「雛形本」に想を得たと思われる小袖が今に伝えられています。小袖の模様は注文主の気持ちが込められて作られるため愛着も深く、小袖としての使命を終えた後も仕立て直して着用したり、さらには掛軸の表装に使うなど、大切に利用されてきました。

また、小袖の美しさは後世の人々の心も捉えました。洋画家の岡田三郎助(1869-1939)は、絵の材料として古い時代の染織品を集めましたが、そのなかには小袖も含まれ、彼の描く女性像を飾ることとなりました。 洗練された意匠を生み出す背景となった雛形本とそれを元に作られた小袖の数々とともに、美しい装飾を施された小袖が如何に利用されてきたかをご覧いただきます。
第四章 コレクション探訪

 松坂屋京都染織参考館は新しい呉服意匠を創出する目的で、染織に関連する資料を収集してきました。特に今展覧でご覧いただく江戸時代を中心とした小袖はその規模、内容とも素晴らしいものですが、その他にも多数の資料を収蔵しています。

 この章では、コレクションの一端を示す、能装束や能面、調度品、装身具、小袖のデザインの変遷を辿る上で重要な資料である「雛形本」などをご覧いただきます。

西川ひな形
享保3年 1718
松坂屋京都染織参考館蔵

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