■ 世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館「向井潤吉 生きている民家 -描かれた生活の息吹」

■ 失われゆく民家の姿を追いつづけた画家・向井潤吉。彼によって描かれた風景は、それぞれの風土の中で生きる人々が発する、生活の息づかいを、その画面に漂わせています。本展では、民家の「生きている」姿に込めた、向井潤吉の思いをたどります。
《宿雪の峡》(長野県下水内郡栄村秋山郷)1983(昭和58)年
- 会 期
- 2008年12月6日(土)~2009年3月22日(日)
- 休館日
- 毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日、年末年始(12月29日~1月3日)
《宿雪の峡》(長野県下水内郡栄村秋山郷)1983(昭和58)年
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)観覧料
一般200円(160円)、大高生150円(120円)、中小生100円(80円)、65歳以上及び障害者の方100円(80円)※( )内は20名以上の団体料金。小・中学生は」土・日・祝日無料。
※障害者で小・中・高・大学生、および障害者の介護者(当該障害者一人につき、一人に限る〉は無料。
母屋からL字型に突き出した厩(うまや)をもつ「曲屋(まがリや)」、厳しい冬の風雪に耐える「カッチョ」(防風柵〉、養蚕を営む人々の「かぶと造り」とよばれる多層民家―。こうした様々な民家のかたちは、風土とともに生きる人々の、生活の知恵が生み出した造形だといえるでしょう。
失われゆく民家の姿を追いつづけた画家・向井潤吉(1901-1995)。彼の作品は、懐古趣味でなく、また情緒的でもない、的確なリアリストの眼が描き出した絵画です。そこには、古くから伝わる生活の"かたち"が、克明に記録されています。
私の民家を扱う気持にも徐々と変移があった。(中略)
家を大切にしながらも、その家をとり囲む風土風景を主とするようになってきたのである。
「中央公論』1967年12月号
このように述べる向井は、あくまで草葺屋根の民家を 主眼としつつ、周囲の自然環境までを視野に入れた作品づくりを進めていきました。
自然に抱かれるようにひっそりと佇む民家の風景からは、人々のつつましい暮らしの気配がひしひしと伝わってくるようです。
移りゆく時代の空気をつぶさに感じ続けた、画家・向井潤吉が作品に描き残そうとしたのは、まさにあたたかい生命(いのち)が通った「生きている民家」の姿だったといえるでしょう。
本展を通じ、民家の「生きている」姿から、それぞれの風土の中で脈々と営まれてきた人々の生活の息づかいを、読みとっていただければと思います。
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