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 展覧会レポート!埼玉県立近代美術館「都市を創る建築への挑戦 -設計組織のデザインと技術-」

清水建設
 建築と一口にいっても、個人住宅から大都市の設計まで、多岐に渡りますが、本展は後者、都市建築の優れた設計組織(設計事務所)15組にスポットを当てた、かつて無い試みです。

 建築展というと、個人の建築家の名で展開されることが多いのですが、今回は組織としての仕事を存分にご紹介。建築のみならず、景観・環境デザイン等にご興味ある方も必見です!

以下、各社のブースごとに追っていきます。

会期:2008年11月14日(金)~2009年1月25日(日)


清水建設:銀座の時を刻む
銀座のど真ん中、和光並木館や、交詢ビルディングなど、古き良きテイストと最新技術が見事に融合。

竹中工務店 山下設計
左: 竹中工務店設計部:都市におけるサステナブル建築を目指して
写真の色とりどりの窓のある建築物は、感性に訴えかけるオフィス空間。まるでモダンアートのような美しさ。
右: 山下設計:再生
ラゾーナ川崎プラザの設計プラン。大きな屋根に覆われた巨大都市は、多くの人やモノが行き交う街のランドマーク。

安井建築設計事務所 日建設計
左: 安井建築設計事務所:まちに開かれたトオリミチ 京の伝統的な小径―辻子(ずし)
色鮮やかなのれんをくぐると広がる京の都市設計。京都市本能の老人ホームと高校の学舎が、辻子をはさんで並びます。
辻子は単なる通り道ではなく、交流の場ともなるのです。
また、本能は染め職人のまち。日本の伝統色で染め上げたのれんを町屋の軒先に掛け、スタンプラリーなんてシャレた試みも!
(※館所蔵の椅子たちが展示空間にぴったり!)
右: 日建設計:つなぐ―都市をつくる軌跡
時間や人、自然、文化をつなぐ。それら単体では決して成立しえない都市建築を正面から考えます。

戸田建設設計統轄部 三菱地所設計
左: 戸田建設設計統轄部:コミュニケートするデザイン
緊張と安らぎを内包し、24時間フル稼働する施設、病院。”どこにもない病院を創る”というコンセプトのもと、機能性のみならず、美しさや精神性をも兼ね備えた新たなる病院の在り方を探ります。
右: 三菱地所設計:躍動する丸の内
「新丸の内ビルディング」の設計。東京駅の真ん前、まさに東京の顔ともいうべきこの建物は、デザイン性のみならず新時代のサスティナブル建築を提案。

大成建設 日本設計
左: 大成建設:都市に現れる建築の身体性
代ゼミタワーオベリスクの設計。スッと新宿の空高くそびえる美しい佇まい。
超高層の青空をバックに勉学に励む若い学生たちの姿が映像で見られます。クール!
右: 日本設計:歴史と継承と創造
三井本館と日本橋三井タワーの設計に迫ります。三井本館といえば、1998年2月に国の重要文化財に指定された歴史的建造物。そういえば、伝統とは更新し続けることだと、どこかで聞きました。
また、お父さん世代の方々が、か・な・り熱心にご覧になられているのが印象的でした。

大林組 松田平田設計
左: 大林組:都市のオアシス
名古屋市に登場した「水の宇宙船」こと、オアシス21。
この水がたゆたう近未来的パブリックスペースは、ヒートアイランド抑制効果が屋上緑化の約3倍も有るという優れもの!
右: 松田平田設計:もてなしの建築
東京国際空港(羽田)第2旅客ターミナルの設計です。空港は世界への玄関口。
行く人、来る人、あらゆる国の人々を快く迎えもてなすには?を考えます。

久米設計 佐藤総合計画
左: 久米設計:都市の記憶の継承―都市のブリコラージュ
赤坂のランドマーク、赤坂サカスの設計。手書きのラフが多数展示。
巨大都市建築も、はじめは温もりある人の手によって引かれた、一本の線であったと思うと胸が熱くなります。
右: 佐藤総合計画:感動を創る場へ
天津や瀋陽のオリンピックのスタジアムなど、中国の巨大スポーツスタジアムの設計を手掛けます。
土地の特性とよく相談しながら、エコで活力に満ちた感動の場をデザイン。

KAJIMA DESIGN 石本建築事務所
左: KAJIMA DESIGN:点からエリアへ 建築・時間・環境
赤坂エリアの建設、開発を継続的に展開。孤立していた点と点を丁寧に繋いでいきます。
右: 石本建築事務所:沖縄の光と風をとりこむ
2007年にオープンしたばかりの沖縄県立博物館・美術館の設計。
海砂(サンゴ)や琉球石灰岩など、琉球特有の素材を建材としています。
涼しげに整然と穿たれた、風の通る格子状の外皮を纏い、差し込む光の落とす影もまた美しい。
その土地の風土と呼応する建物とは、実に清々しいものです。


埼玉県立近代美術館「都市を創る建築への挑戦 -設計組織のデザインと技術-」展覧会場風景
 各社のブースが華麗に競い合う展示空間は、技術と美の見本市のよう。さすが、皆さん空間の見せ方を熟知しておられる。

 私たちが日々生活する街や空間。都市部に住まう人なら尚さら、それらが、誰かの手によってデザインされ、機能的且つ、安らかに過ごせていることに気付かされる本展。

 個人名は表に出てこずとも、”いい仕事”をし、私たちの暮らしに秩序と彩りを、街や建築を介して支えてくれている匠たちに、感謝と敬意を!そんな気持ちになる展覧会でした。

埼玉県立近代美術館 宮島達男
おまけ

 1Fロッカー内に、現代美術界の巨匠、宮島達男作品がこっそり展示してあるのをご存知ですか?

 一見、電気工事か何かの忘れものかな?と思ってしまいそうですが、いち宮島ファンとしては、良くぞ仕込んでくれた!と、ほくそ笑むばかりです。

 埼玉近代さん、椅子コレクションや宮島作品、おしゃれ系Museum Shop等、何気ないエッセンスがいいんですよね♪


[ text by Art inn編集部] 


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