東京オペラシティアートギャラリーで2007年3月25日まで開催中の「土から生まれるもの:コレクションがむすぶ生命と大地」は、2600点に及ぶ東京オペラシティコレクションの中から、タイトルの意味するテーマ通りの作品約140点を選び、全館を使って大々的に展示している展覧会だ。 |
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土から生まれるもの:コレクションがむすぶ
展示会場はまさに、37人の作家たちが土という素材から作り出し、作家自身のスピリットを吹き込んだ作品群によって、産土(ウブスナ)神たちの祝祭のような素晴らしい空間に作り上げられている。生命と大地 Works from the Soil: Life Meets the Mother Earth in the Collection ■展示構成■
現代陶芸作家、小川待子は今回の展覧会のために新作インスタレーションを制作した。
特別出品されている新作は、《Li2O・NaO・CaO・Al2O3・SiO2:水の破片》。
暗闇の中、碧いガラスの釉薬(ゆうやく)で覆われた陶板の間に、長さ12mの陶片のインスタレーションが浮かび上がる。
器は、収蔵作品8点に加えて新作5点(特別出品)、また2004年にMDSギャラリーで発表して話題を呼んだ、陶片によるインスタレーション《Na2O・ZnO・Al2O3・SiO2・B2O3》を展示している。
[ギャラリー1] 小川待子 [ギャラリー2]
絵画、版画、写真、立体などさまざまな表現を紹介。
平面では、自然との密接な関係を思わせる韓国出身の画家(尹享根、崔恩景、李禹煥)の作品や、野又穫の「土地が放つ気配」からインスピレーションを受けて生まれたキャンバスの上の建築、またコーヒー豆や胡桃の枝などを用いて制作する大場緑の作品を紹介している。
そして、東京オペラシティコレクションの核となる画家、難波田龍起の作品と向き合えるスペースには、「生の記録」など一連の心象風景画を展示。
伊藤慶二の連作《沈黙》からは、90-91年に制作された4点が並ぶ。尹享根、崔恩景、李禹煥、野又穫、 難波田龍起、伊藤慶二、大場緑ほか [3Fコリドール]
土屋公雄の版画や荒木高子、西村陽平の陶芸作品など、ついえゆくもの・土に還るものをテーマにした作品を展示。また、花や木の枝などを用いて自然の中でインスタレーションを制作する、ニルス・ウドの写真も紹介する。土屋公雄、荒木高子、西村陽平、 ニルス・ウド [ギャラリー3]
現代陶芸作家、秋山陽の1990-96年の作品6点を紹介。
ギャラリーに入った途端、黒い土塊の存在感に圧倒される。秋山陽は、古代から現在まで、地球の歴史から見た時間の流れを、ひび割れや層を伴った独自の造形にこめてきた。
長さ5.5mを越える《無題》は、土中でうごめく巨大な生物のようだ。高さ2.4mの《尖底》は、沸き上がる大地のエネルギーそのものである。秋山陽 [ギャラリー4]
日本画と現代陶芸作家、鈴木治の作品を展示。
那智の滝、田園風景、動植物など、我々の風土に根ざした日本的な精神性が感じられる作品に加え、つぶさな観察眼によって自然界の生物を描き出す西野陽一の《生命の樹》には、我々と同じ大地で生きるものへの温かなまなざしが感じられる。
ギャラリーの中央では、簡潔で明快な造形によって現代陶芸に大きな影響をもたらした鈴木治の作品18点を展示している。鈴木治 会期 【Art inn‐Review】 今回の東京オペラシティアートギャラリーの展覧会「土から生まれるもの:コレクションがむすぶ生命と大地」のサブタイトルは、『作家がむすぶ生命と土』と置き換えてもいいほど、展示場の作品にはどれも、作家が精魂をこめて注ぎ込んだ芸術作品としての「生命」が感じられる。特に陶による諸作品は、展覧会のテーマをストレートに体感させてくれる。 小川待子の諸作品に、じっと耳を傾けてみよう。 作家は見えざる「何か」を確信し、それを作品としてこの世に産み出す。 小川待子は何を確信したのか…。 神々の創造を感じ得た太古の人々はきっと、折々の祝祭の中で生きる活力を得たのに違いない。現代の我々は、芸術家たちの産み出した作品空間の中で、命と土の「むすひ」を体感し、そこから新たな生命力を自らのうちにも呼び起こすことができるはずだ。
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