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たっぷりとモネ!国立新美術館の開館記念特別企画展「大回顧展-モネ」で、春は印象派に酔いしれる
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国立新美術館で「大回顧展モネ」がいよいよ開催!
2007年春、国立では5番目となる新しい美術館「国立新美術館」のオープン記念となる特別展「大回顧展モネ」が4月7日(土)より幕を開けた。国内外の主要コレクションから100点近い名作を集め、さらにモネに影響を受けた注目の現代作家たちの作品20点を同時に展示。モネの芸術を多角的に鑑賞できる、まさに「大回顧展」の名にふさわしい展覧会。どうぞお見逃しなく!
印象派って何?
モネといえば「印象派」を代表する画家。ところで「印象派」って何? 学校の美術の授業で聞いたことがあったかもしれないが「もはや記憶の遥か彼方」。という人のために、まずはおさらい。
1874年、ルノアールやドガ、セザンヌらが、ごく小規模に開催した展覧会にモネが出品した《印象、日の出》(パリのマルモッタン美術館所蔵)が、一般的に語源とされ、後にこの展覧会を「第1回印象派展」と呼ぶようになった。当時、彼らの作品は人々にまったく受け入れられず、その状況を新聞記者が揶揄して付けたと伝えられている。
つぎにもうひとつ、技法の面から印象派についておさらいしておこう。当時主流だった、細部まで描き込んでいく「写実主義」と異なり、荒々しい筆遣いが多く、輪郭など明確な「線」が描かれていない。また光の表現へのこだわりも大きな特徴で、光の瞬間的な動きや変化を強調して描いたり、それまでの絵画に比べて明るく、色彩も豊かである。
以上「印象派」の基礎知識を頭の隅において本展覧会を見ると、いつもと違った“印象”でモネを鑑賞できるのでは?
クロード・モネ
1840年11月14日、パリに生まれる。幼い頃より絵を描くのが上手で、20歳の頃よりアカデミー・シュイスで本格的に絵画を学び、その後は精力的に制作活動を開始。《積みわら》《ルーアン大聖堂》など多くの連作を手がけ、1890年代から取り掛かった《睡蓮》の連作は200点以上制作され、モネの代名詞にもなった。晩年は白内障を患い、失明寸前だったという。1926年12月5日死去。刻一刻と変化する光をいかに描くか? 時間や季節の移り変わりを、光と色彩の変化で描くことを探求し続けたクロード・モネ。「光の画家」とも呼ばれる印象派を代表する画家。
「大回顧展モネ」
Ⅰ モネ
1章 近代生活
モネが青春時代を過ごした1860年代のフランス(パリやその近郊)は、中世的な価値観が姿を消し、大規模な都市化が進んでいた。列車や大通りの群集が行き交う都会は、最先端の文化として描かれている。また、妻カミーユ、後添えのアイリスと子どもたちは、作品の中で度々取り上げられ、モネに貴重なモティーフを提供していた。
《カミーユ、ジャン、乳母》1873年、個人蔵、スイス |
《日傘の女性》1886年、オルセー美術館、Photo:RMN |
2章 印象~光・階調・色彩
影すらも明るい色彩で描かれた独特の世界。2章では、光の効果をどう描いたら良いか、さまざまに模索していたモネを、印象派の特徴的な技法である「光」「階調」「色彩」という切り口で展示。水面に映る外界(反射映像)を表現しており、晩年の代表作《睡蓮》へとの接点を見出せる。
《モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭》1878年、オルセー美術館、Photo:RMN |
《ジヴェルニーのモネの庭、アイリス》1900年、オルセー美術館、Photo:RMN |
《かささぎ》1868-1869年、オルセー美術館、Photo:RMN |
3章 構図~簡素・ジャポニズム・平面的構成・反射映像
モネの活躍したのは、日本美術への関心が急速に高まった時代でもあった。浮世絵に見られる平坦な色遣いと余白の役割や独特の構図など、大きなヒントを得たと考えられる。モネにとって新しい表現の可能性であるとともに、奥行きを表現して合理的に空間を描いたルネサンス以来の絵画の“決まりごと”を打ち破る挑戦的なことでもあった。
《ヴァランジュヴィルの漁師小屋》1882年、ボストン美術館、Photo:Museum of Fine Arts,Boston |
《コンタリーニ宮》1908年、ザンクト=ガレン美術館 |
4章 連作~リズム・形態・変化・移ろい
作品の対象を限定することで、光がどう変化するかを描こうと試みたモネ。それが連作へと実を結んでいく。リズミカルに描かれた《ポプラ並木》。円錐(積みわら)の形態を活かして光の変化を描写した《積みわら》。石造りの建物という新たな素材に挑戦し、モネの変化が明らかに伺える《ルーアン大聖堂》。描くのに困難な煙や蒸気、霧など移ろいやすい現象の表現に挑戦した《サン=ラザール駅》。これらの作品を通して連作の魅力に迫る。
《積みわら、雪の朝》1891年、ボストン美術館、Photo:Museum of Fine Arts,Boston |
《ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔》1893年、オルセー美術館、Photo:RMN |
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5章 睡蓮/庭~筆触・綜合
モネが晩年に選んだモティーフは、生涯の後半を過ごしたジヴェルニーの睡蓮の池と花の咲き乱れる庭。これまでに挑戦してきた技法を総合的に表現するかのように、大画面の制作に取り組むなど、80歳を過ぎてなお豊かな作品群を残した。
《睡蓮の池》1900年、ボストン美術館、Photo:Museum of Fine Arts,Boston |
《藤》1917-1920年、マルセル・ドッサル美術・歴史博物館、ドルー、Photo:RMN |
《睡蓮》1907年、ポーラ美術館(ポーラ・コレクション)、写真:財団法人ポーラ美術振興財団 |
《睡蓮》1914-1917年、アサヒビール株式会社 |
Ⅱ モネの遺産
没後、モネの作品は改めて評価され、多くのアーティストたちにさまざまな影響を及ぼしている。会場ではそれぞれの章ごとに、モネの影響が色濃く出ている作家たちを紹介。ジョルジュ・スーラ、ロイ・リキテンスタイン、ゲルハルト・リヒターらと、モネとの接点を浮き彫りにする意義深い展示であり、モネが20世紀に残し(伝え)たものが、いかに偉大だったかを改めて検証できる絶好の機会である。

~陽春+明るい色彩+キョン2で酔いしれませう?
見どころは沢山あります。浮世絵との接点、現代作家たちによるモネへのオマージュ。何より「印象派って何?」という素朴な疑問に、自分なりの答えが出ます。図録(印刷)にはない、ホンモノだから伝わる“何か”が答えに導いてくれます。
個人的には《かささぎ》(上記参照)がもっとも感動しました。雪景色は白一色で、表現に乏しくなるだろうに、光の射す方向や影の色など、心に刻まれている雪景色が蘇るほど見事に描き切っています。心にある風景……それを印象と呼ぶなら、印象の“真”(まこと)を完璧に“写”(うつ)していると感じ、それが「印象派」の真髄ではないかと思いました。
また、小泉今日子出演の「音声ガイド」も本展覧会の隠れた魅力。チョイト鼻にかかった“あの”声による作品解説は、思った以上に鑑賞する気分を盛り上げてくれます。さらに出口に特設されたグッズ売り場も素通りできません(下記参照)。モネの作品を反映するような明るい色彩のバッグなど今の季節にもピッタリで、つい財布の紐が緩んでしまいます。モネの絵画は“春の色”。ぽかぽか陽気と相まって、心地よく酔ってしまいそうな展覧会でありました。
TEXT by Sakae Ishikawa
ようこそ!「大回顧展モネ」へ。一歩踏み込むと春風のような《日傘の女性》が迎えてくれます。この導入の展示は見事! |
細部までクッキリと鑑賞できるとても明るい展覧会場。訪れている来場者は若い女性が多いように思いました |
グッズ売り場でまず目についた日傘(13,000円)。バッグ(2,800~)も写真以外に種類も豊富なので目移りします。また記念品の定番・展覧会図録は2,300円。 |
明治製菓のマーブルチョコレート「大回顧展モネ」バージョン(800円、もちろん期間限定!)。人気のお土産ナンバー1になるのでは |
こちらの「モネぬいぐるみ」は残念ながら非売品。いいマスコットになるのにねぇ~。 |
DATA
開館記念特別企画展「大回顧展-モネ」
会期:2007年4月7日・土~7月2日・月
講演会:4月21日(土)「モネと日本」
講師:馬渕明子(本展監修、日本女子大学教授)
5月13日(日)「水の戯れ・光の夢-印象派の巨匠モネ」
講師:高階秀爾(本展総合監修、美術史家)
5月26日(土)「名画に隠れた謎を解く-画家が見たモネの真実」
講師:吉岡正人(画家)
6月03日(日)「20世紀美術とモネ(仮)」
講師:南雄介(本展監修、国立新美術館企画室長)
※いずれも14:00より国立新美術館講堂にて開講(定員300人)、聴講料無料(本展の入場券が必要)。
国立新美術館
所在地:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
ホームページ:http://www.nact.jp/
アクセス:東京メトロ千代田線・乃木坂駅6出口(美術館直結)徒歩2分、日比谷線・六本木駅4A出口より徒歩5分、都営地下鉄大江戸線・六本木駅7でふちより徒歩4分
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