トップ展覧会レポートバックナンバー2007年7月>昭和 -写真の1945-1989- 第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」昭和30年~40年代 Part.1 東京都写真美術館で好評開催中。2007年8月19日(日)まで、お早めに!
 昭和 -写真の1945-1989- 第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」昭和30年~40年代 Part.1 東京都写真美術館で好評開催中。2007年8月19日(日)まで、お早めに!


石元泰博「ポートレイト#215」 昭和43(1968)年
石元泰博「ポートレイト#215」 昭和43(1968)年

元号が「昭和」から「平成」に変わって早20年。戦後の混乱から復興、現在ある日本の基盤を作り上げた「昭和」とは、一体どんな時代だったのか? それを写真で再検証する東京都写真美術館のシリーズ企画「昭和 -写真の1945-1989-」の第2弾が好評開催中。
 好評のうちに幕を閉じた第1部(2007年5月12日・土~6月24日・日)「オキュパイド・ジャパン(占領下の日本)」(昭和20年代)に続く本展は、第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」昭和30年~40年代 Part.1とサブタイトルにある通り、芸能・スポーツ・政治など各界から昭和を彩ったヒーロー・ヒロインたちを中心に、2万3000点におよぶ東京都写真美術館の収蔵品の中から、本テーマにふさわしい選りすぐりの約600点をチョイス。
 スターの輝きから垣間見える「昭和」。一方、その時代「写真」はどんな役割を担い、果たしていたのか? という目線で、かの時代を振り返るのも面白い展覧会である。




早田雄二 「原節子」 昭和20~30年代早田雄二 「原節子」 昭和20~30年代

いわずと知れた大スター・原節子の全盛期の1枚。「衰えた容姿は見せたくない」という名言を残し、昭和37(1962)年、42歳で引退。その後公の場に姿を現さなくなり、生きながらにして伝説となった日本映画界の至宝である。

石元泰博「ポートレイト」 昭和43(1968)年石元泰博「ポートレイト#215」 昭和43(1968)年

映画「緋牡丹賭博」撮影現場。映画産業に陰りが見えてきたこの頃、東映が打ち出した仁侠映画は人気シリーズとなり、本作で「緋牡丹のお竜」に扮した藤純子(左)は一躍スターダムにのし上がったが、映画の衰退に歯止めが掛かることはなかった。

齋藤康一 「松下幸之助」 昭和50(1975)年齋藤康一 「松下幸之助」 昭和50(1975)年

戦後の復興を語る上で欠くべからざる人物。松下電気器具製作所(現・松下電器産業)を興し、高度成長期の牽引役となる。「好きな事業家・尊敬する経営者ランキング」では本田宗一郎、ビル・ゲイツを抑えて堂々1位に輝き、今なお色褪せないカリスマ性を示した。1989年逝去。まさに時代が昭和から平成に変わった、その時である。

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Art inn カエル
その1~銀幕のヒロインに、

  戦後生まれにとって、第1部「オキュパイド・ジャパン(占領下の日本)」(昭和20年代)は、客観的に考えたり、構図や陰影など写真的な出来栄えを観たりできましたが、本展は子どもの頃の思い出と重なり合う部分が多く、どうしても主観的な見方になりました。
 ちなみに本展では、昭和20~30年代の日本映画全盛期に活躍したスターたちの写真ばかに目を奪われました。ピッカピカに輝いているデコちゃんこと高峰秀子の、昭和20(1945)年と昭和25(1950)年の2点。昭和30(1955)の早田雄二、昭和32(1962)年の大竹省二、昭和40(1965)年の秋山庄太郎年がそれぞれ撮った3枚の若尾文子、思わずため息が漏れた、昭和45(1970)年の淡島千景(着物もすっばらしいので注目!)など。その後、テレビ時代の到来とともに、「銀幕のスター」は「お茶の間のスター」に取って代わり、やがて「スター」は「アイドル」となって、より身近な存在へと変化していきます。

Art inn カエル
その2~みんながスターを待っている

  そうした時代の移り変わりも、見どころのひとつですが、アイドルでは逆立ちしたって太刀打ちできない美しさが、スターにはあった、ということを改めて強く感じました。
 それが本展覧会の率直な感想です。高度成長期、国民が一丸となって邁進した時代にあって、ヒーロー・ヒロインたちは、多くの人々が見上げる、まさに星(スター)でなくてはならなかったのでしょう。彼女たちの比類なき美しさは、やはり昭和という時代を無視して語ることはできません。「スターのスターたるゆえん」という繰り返し論じられてきた“スター論”の本質を、本展覧会で少しはつかめた気がします。
 ところで近頃、本展の時代に(昭和20~30年頃)制作された日本映画をよく観ます。なぜ、あの頃の作品に惹かれるのでしょう? それは今という時代が、本物のスターを求めているから。そんな風に思う方は、けっこう多のではないでしょうか。

TEXT by Sakae Ishikawa

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昭和 -写真の1945-1989- 第2部「ヒーロー・ヒロインの時代」昭和30年~40年代 Part.1
 
会期
2007年6月30日(土)~8月19日(日)※7月23日(月)は臨時開館
開館時間
午前10時~午後6時、木・金は午後8時まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)
観覧料金(企画展料金)
一般500(400)円、学生400(320)円、中高生・65歳以上250(200)円 
※( )内は20人以上の団体料金

今後のスケジュール

◆昭和 -写真の1945-1989- 第3部「高度成長期」昭和30年~40年代 Part.2
会期
2007年8月25日(土)~10月14日(日) ※10月1日(都民の日)は臨時開館

◆昭和 -写真の1945-1989- 第4部「オイルショックからバブルへ」昭和50年代以降
会期
2007年10月20日(土)~12月9日(日)

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