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 シンポジウムレポート:第3回21世紀ミュージアム・サミット 「ミュージアム・イノベーション」【第2部】
21世紀ミュージアム・サミット 「ミュージアム・イノベーション」【第2部】2008年4月2日(水)日経ホール(東京都大手町)にて、第3回21世紀ミュージアム・サミット 「ミュージアム・イノベーション」【第2部】を聴講してきました!

【第2部】のテーマは、
変わるミュージアム -7年で入館者数を200万人増やしたルーヴル美術館のマネジメントをさぐる-」。


 ※【第1部】 のテーマは「新たなる美術館像を求めて」
こちらは、2008年3月21日(金)-22日(土)湘南国際村センター (神奈川県葉山町)にて、
「元気のいい」美術館はなぜ元気なのか。国内外の有識者を交え、円卓会議が行われました。

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【第2部】概要   
※公式HPより抜粋 「21世紀ミュージアム・サミット」

 世界屈指の美術館でありながら、さらなる成長を目指し、課題解決・目的達成のための
戦略を計画・実施してきたアンリ・ロワレット・ルーヴル美術館長に、その取り組みを聞きます。
 その後、文化活動に独自の視点をもつ美術館長と企業経営者を迎え、
現在の美術館が抱える課題や今後の展望を役割とマネジメントの両面から具体的な事例を交えて検証します。

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【第2部】では、はじめに特別講演として、青木 保/文化庁長官 のお話がありました。

アンリ・ロワレット/ルーヴル美術館長 1 冒頭、ルーヴル美術館の概要を語る、
  アンリ・ロワレット/ルーヴル美術館長


 次に、基調講演として、アンリ・ロワレット/ルーヴル美術館長による、
ルーヴル美術館のミュージアム・イノベーションへの取り組みについての報告がありました。

 まずは、ルーヴル美術館にまつわる数字のお話から。
ルーヴル美術館は、およそ、3万5千点もの作品を所蔵する、
言わずと知れた世界の百科事典とも言うべき美術館です。

 現在、年間来館者数は850万人にも及びます。元オルセー美術館長だった、ロワレット氏が、ルーヴル美術館長に就任したのは、2001年。
 それから、2007年までの間、来館者数は、なんと200万人増!来館者のうち、外国からは65%、フランス国内からは、35%。(日本人来館者数は、全体の7位で、年間20万人強。)96%の人が、大変満足あるいは満足と感じているそうです。
 そして、特筆すべきは、年間来館者数の42%を26才以下の若年層が占めているということ。この点については、後ほど触れようと思います。

 さらに、年間約20の企画展、2千人の職員に2憶ユーロの予算。展示室の稼働率は、2001年の75%に対して、2008年現在95%。
 ここまで、駆け足で数字を並べてしまいましたが、これらの数字を打ち出すには、それなりの仕掛けがあるのです。

2008年3月14日~6月2日「バビロン」展を開催中 2 ルーヴル美術館では、
  2008年3月14日~6月2日「バビロン」展を開催中。


 では、ルーヴル美術館が実際に行っている、
ミュージアム・イノベーションの具体的な取り組みについて、一部ですが、簡単にご紹介したいと思います。
◆ユニバーサル・ミュージアム
 「開かれたルーヴル」をキャッチコピーに、世界の百科事典として機能すること。
 美術館は生きた知識の場である。

◆組織再編

◆メセナの獲得
 国家と共に、メセナ(企業が文化・芸術活動に対し後援・資金支援を行うこと。)を伸ばす。

◆文化、学術、技術のパートナーシップ
 国立美術館として、社会的、教育的に文化・文明間を結び、国際間のパートナーシップを結ぶ。
 アメリカのHigh Museum of Atlanta、
 日本のDNP(DNP Museum Lab)、
 アラブのLouve d’ Abou Dhabi(2013年開館予定)
 とのパートナーシップなど。

◆若年層や子どもたち、美術に縁遠い人、障害のある人へのプログラム
若年層へ
 金曜の夜を入館料無料にすることにより、若い人たちの眼を美術館に向ける仕掛け。
 ダンスや展示室内でのコンサート、若い美術研究者による作品解説
 (大人気!とのこと。難しすぎないのがポイント!)、作品にまつわる詩の創作と朗読など。
美術館は若い人々の意見を聞きたいのだそう。

子どもたちへ
 年間65万人の子どもの見学者の受け入れ。社会的教育の役割を、教育省と連携。
 社会統合の問題への取り組み(移民の子どもたちの問題)。

美術に縁遠い人へ
 館内の作品を選んでもらい、好きに解釈してもらう。
 また、作品にまつわる詩の創作と朗読など。(地理的に遠くてなかなか来館できない人にも。)

障害のある人へ
 触るギャラリー。彫刻を直接触ってみる。聴く作品なども。一般の人にも人気。

 ルーヴル美術館において、美術館本来の意義を取り戻すこと、それは、現存作家が古典作家と対峙する場所であること。そういった繰り返しが現在のルーヴル美術館を形成しているのです。
 また、美術館の存在が、戦争などによる対立の緊張を和らげるのだ、というロワレット館長の言葉が印象的でした。

続いて、パネルディスカッション。

左から、モデレーターの高階秀爾/大原美術館長、パネリストのアンリ・ロワレット/ルーヴル美術館長、徳川恒孝/徳川記念財団理事長、青柳正規/国立西洋美術館長 3 左から、
  モデレーターの高階秀爾/大原美術館長、
  少し空けて、パネリストの
  アンリ・ロワレット/ルーヴル美術館長、
  徳川恒孝/徳川記念財団理事長、
  青柳正規/国立西洋美術館


 こちらも、ミュージアム・イノベーションにおいて、興味深い内容でした。

ビジネス界と美術界の評価基準の違いは?
優れた展覧会、学芸員の評価基準とは?
また今後、学芸員に、マネジメント力や資金調達力がに求められるか?
メセナ活動の現在の取り組みや今後、またメセナを行うことによるメリットは?
 (国立西洋はエプソンとメセナパートナーシップを結んでいます。)
子供たちへのプログラムは?
地域との連携は?
人材(学芸員や修復家など)の育成は?   などなど…。

ここでご紹介しきれなかった内容もたくさんありますが、さらなる美術館の発展に、今後も期待したいと思います。