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 内覧会レポート!東京都写真美術館コレクション展「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」

東京都写真美術館コレクション展「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」2008年7月4日、東京都写真美術館で開催された、内覧会の模様です。

東京都写真美術館の所蔵作品、約2万3千点の中から、アメリカ写真の歴史を紐解く作品を選りすぐっての展覧会。 今回は3部構成のうちの、第1部 星条旗 1839-1917 をお送りします。

会期:
第1部 星条旗 1839-1917
  2008 年7 月5日(土)~2008 年8 月24日(日)
第2部 わが祖国 1918-1961
  2008 年8 月30日(土)~2008 年10 月19 日(日)
第3部 アメリカン・メガミックス 1957-1987
  2008 年10 月25 日(土)~2008 年12月7 日(日)




ダゲレオタイプの図像が天地左右逆転して映し出される様子を再現 ダゲレオタイプで撮影された親子の写真 1840年、世界初の写真館「ダゲーリアン・パーラー」がニューヨークで開設された時の様子
世界初の写真方式であるダゲレオタイプが、フランスから世界へ発信されたのは、1939年8月19日。
左:ダゲレオタイプの図像が天地左右逆転して映し出される様子を再現。
中:ダゲレオタイプで撮影された親子の写真。銀板に写されており、角度によって図像が見えたり見えなかったり。
右:1840年、世界初の写真館「ダゲーリアン・パーラー」がニューヨークで開設された時の様子。かなり豪華な感じ。

日本人初!ダゲレオタイプによって撮影された肖像写真。田中光義像 写真の歴史のはじまりは、家族や個人の肖像写真
左:日本人初!ダゲレオタイプによって撮影された肖像写真。田中光義像。ペリー率いる艦隊が条約締結の為再来日した1854年、下田で制作されました。
右:写真の歴史のはじまりは、家族や個人の肖像写真。とてもプライベートなものでした。

戦争の様子など、パブリックなものを写すように 『戦争のスケッチアルバム』より。撮影はティモシー・ヘンリー・オサリヴァン M .ブレイディ・スタジオ「リンカーンの肖像」1860年代前半 ティンタイプ<br />
1860年
左:やがて、写真は戦争の様子など、パブリックなものを写すようになります。
中:『戦争のスケッチアルバム』より。撮影はティモシー・ヘンリー・オサリヴァン。一般向けに販売された戦争報道写真帖です。
左:M .ブレイディ・スタジオ「リンカーンの肖像」1860年代前半 ティンタイプ
1860年、大統領に当選した際、演説のためニューヨークに訪れたリンカーンの肖像写真を元に作成した石版画を、さらに撮影したもの。

西部開拓に沸くアメリカ"" 西部開拓に沸くアメリカ 西部開拓に沸くアメリカ
そして西部へ。西部開拓に沸くアメリカ。被写体は、大自然へと移行していきます。ヨセミテ渓谷や、クリア・クリーク渓谷など、観光写真的な要素が現れます。

「動き」を捉えた写真 「動き」を捉えた写真 「動き」を捉えた写真
「動き」を捉えた写真。連続する動きをする被写体をコマ撮りします。「失踪する馬は空中で4脚を伸ばすのか?」の疑問から、元カリフォルニア州知事のスタンフォード氏と競馬関係者の間で賭けが始まり、撮影用の大通路を設置し、実験したのだそう。これらを撮影したマイブリッジに触発され、エジソンはキネトスコープをつくり、映画誕生へと繋がっていくのです。

ボストン大火災の焼け跡のパノラマ ボストン大火災の焼け跡のパノラマ ボストン大火災の焼け跡のパノラマ
ボストン大火災の焼け跡のパノラマ。3枚つなぎの大写真。1872年11月9日夜間に出火し、翌日午後まで燃え続けた大惨事の様子を克明に写し出します。

アメリカの貧しい地域で暮らす人々 エリス島での入国審査 ストリートチルドレン
アメリカの貧しい地域で暮らす人々、エリス島での入国審査、ストリートチルドレン、いずれも過酷極まりない当時のアメリカの現実を隠すことなく写し出します。

アメリカの児童労働の実態を伝える写真 アメリカの児童労働の実態を伝える写真 アメリカの児童労働の実態を伝える写真 アメリカの児童労働の実態を伝える写真 アメリカの児童労働の実態を伝える写真 アメリカの児童労働の実態を伝える写真
アメリカの児童労働の実態を伝える写真。写真に写し、ポスターや本にして、現実を社会に問います。写真は社会を動かすものとして、その力を発揮していきます。

アルフレッド・スティーグリッツやクラレンス・ハドソン・ホワイト アルフレッド・スティーグリッツやクラレンス・ハドソン・ホワイト アルフレッド・スティーグリッツやクラレンス・ハドソン・ホワイト
第1部の最後、芸術としての写真が登場します。近代写真の父、アルフレッド・スティーグリッツやクラレンス・ハドソン・ホワイト、世界で最も美しい写真集といわれた「カメラ・ワーク」の誌面が展示されています。そして、本展(第1章)ならびに「カメラ・ワーク」はポール・ストランドで締めくくられます。抽象表現から、『ブラインド・ウーマン』など、社会を鋭く切り取ったりと幅の広い作風の作家です。


最後に
◆最後に、アメリカと一口で言っても、その歴史はとてつもなく複雑なものです。アメリカ人といって、誰をアメリカ人というのでしょう。写真に撮られているのはほんの一部分、そこに納まりきれない膨大な現実を、私たちは知ることが果たしてできるのでしょうか。知りたくも有り、それが途方も無いものであろうことに臆する自分がいます。


[ text by Art inn編集部] 
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