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 展覧会レポート!国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」 現在2つのルーヴル展が開催中ですが、国立西洋美術館の「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」に引き続き、こちら国立新美術館でも「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」がスタートしました。

本展は、子どもがテーマ。美術史上、子どもはどのように観られ、表現されてきたのかが伺える展覧会です。

会期:2009年3月25日(水)~6月1日(月)

本展は7章構成。以下、各章ごとに追っていきます♪


↑第1章 誕生と幼い日々
母と子の関係を表した彫刻や絵画が並びます。我が子を腕に抱く母親や授乳の様子など、エジプトからギリシャ、ヨーロッパまで、太古の昔から連綿と表現され続けてきた、永遠のテーマです。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第2章 子どもの日常生活
教育の現場で使われたものや、おもちゃ、エジプトの子どもたちの衣服(チュニック)や靴など、今見ても造形的に優れ、スタイリッシュなことに驚いてしまう日常の品々がずらり。(ハリネズミをかたどったおもちゃは秀逸!必見。)

中でも面白かったのが、古代エジプトのパピルスに書かれた内容。
《息子を教育しよう》というタイトルが付いており、ペルジェル人なる人が息子に教育を与えようとしているのですが、約束を守らない、中傷する、罵倒する、悪い交際関係を持つ、既婚女性に関心を示すなどをしてはならないこと、として上げています。今と同じですね!思わず笑ってしまいました。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第3章 死をめぐって
子どもの早すぎる死をめぐり、親の深い悲しみや愛情、死後の世界での幸福を願う思いが見て取れます。

本展では、《少女のミイラと棺》が展示されています。このとても小さな棺の中で眠っているのは、おそらくヘヌトワァティという名の少女。棺上面には生前の姿を模した絵が描かれています。軽やかなサンダル履きに花模様のヘアバンド、ゆったりとしたプリーツのドレスを着た、普段着の姿です。
側面には、死後の世界で出会うであろう神々の姿が描かれています。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」墓碑の一部としてつくられた大理石の彫刻も並びます。

左は、ジャン=バディスト・ドルフィネの《悲しみにくれる精霊》。肉付きのいい体で懸命に涙をぬぐう精霊の子どもの姿です。左手に持った炎の消え入りそうな手燭は、燃え尽きた生の寓意だそう。
右奥は、ジャン=バティスト・ルイ・ロマン《無垢》。きちっと髪を後ろでひとつにまとめ、左手にトカゲを持つ優美な少女の姿をしています。一般にトカゲや蛇を手にするのは、無垢を擬人化したものなのだとか。

死にまつわるものは、ちょっと怖くもあり、美しくもあり…。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第4章 子どもの肖像と家族の生活
16世紀末のヨーロッパから、子どもはひとりの独立した人間として、肖像画に描かれるようになったそう。それ以前は、両親とともにいることが多く、概念的な子どもとしての枠組みしかなかったのでしょう。

写真は、ディエゴ・ベラスケスと工房《フランス王妃マリー=テレーズの幼き日の肖像》。
彼女は、スペインのフェリペ4世とイザベラ・デ・ブルボンの娘で、1660年、ピレネー条約の施行に基づいて、ルイ14世と結婚します。やや受け口気味のぽっちゃりとした顎は、ハプスブルク家の特徴なんだそうです。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第5章 古代の宗教と神話のなかの子ども
神々にも子ども時代があったという考えのもと制作された作品たち。
神話によれば、神々は生れ落ちた時から、超越した存在として運命づけられていたのだそう。

写真左は、《子どものサテュロス》。サテュロスとは、ギリシャ神話に出てくる半身半獣の精霊。悪戯好きだけど小心者といった性格。
こちらのサテュロスは、下半身も人間的に作られています。また、とがった耳で横笛を吹き、豹の皮を肩に掛けています。子どもらしい瑞々しさが伺えます。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第6章 キリスト教美術のなかの子ども
キリスト教美術と聖母子像。これまた永遠のテーマです。

写真右手は、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス》。
なんとも幸福感でいっぱいの絵です。温かなマリア様の愛に包まれた幼きキリスト。3人の聖人が傍らにいますが、聖母子を画面中央でなく、左側に寄せて描く構図には、より人間的な親しみを増す効果があるのです。

また、コブラン織の《河から救われるモーセ》は大作です。エジプトの王ファラオによる、ユダヤ人の新生男児を殺害せよ、という命を免れるため、モーセは母によってナイル河に流されますが、運よくファラオの娘によって助けられるという場面が描かれています。

国立新美術館「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」第7章 空想の子ども
多神教であった古代とキリスト教時代の橋渡し的役割をする空想の子ども。彼らは、アモール、小天使、プットーなどと呼ばれ、ぽっちゃりとした愛らしい姿で表現されます。

会場終盤に登場する2枚の大きな絵は圧巻です。
左手はジャン=バティスト=マリー・ピエール《忠誠の勝利》、右手は、フランソワ・ブーシェ《アモールの標的》。それぞれ、意味深い教訓が込められた絵です。
《忠誠の勝利》では、忠誠と不実を象徴。忠誠の象徴の少女には花冠を。不実の仮面を持つ子どもにはお仕置きを…。
《アモールの標的》では、正しい道徳として、忠実な愛は一度しかないことを物語っています。
ハートの標的に当たった以外の矢は、燃やして使えないようにしています。

 いつの時代も子どもは存在し、彼らを見つめる親の眼差しも未来永劫変わらぬものです。この普遍のテーマを紀元前から辿る展覧会。子ども時代を思い出しながら、親子で観るのもおすすめです♪

[ text by Art inn編集部] 

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